東急まちだスターホール、最後の番組を投影中

【2008年3月10日 アストロアーツ】3月21日追記

町田東急ツインズ(旧 東急百貨店まちだ店)屋上にあるプラネタリウム「東急まちだスターホール」は、3月末をもって28年間の歴史に幕を下ろす。3月中は最後の3本の番組を投影している。閉館間際は混雑が予想されるので、最後に観ておきたいという方はお早めに。


五藤光学研究所製G1014si

現役引退となる東急まちだスターホールのプラネタリウム、五藤光学研究所製G1014si。クリックで拡大

まちだ東急百貨店が開店した当時のポスター

1980年、まちだ東急百貨店が開店した当時のポスター。クリックで拡大(提供:東急まちだスターホール)

東京・町田の町田東急ツインズ(旧 東急百貨店まちだ店)屋上にあるプラネタリウム「東急まちだスターホール」は、3月31日をもって28年間の歴史に幕を下ろす。町田駅前のビル屋上という好立地、全国に数少ない民設民営のプラネタリウムだ。

閉館の背景にはビル全体の方針転換がある。東急百貨店まちだ店は2007年7月に27年間の営業を終え、カジュアルファッションや東急ハンズをメインとした専門店ビル「町田東急ツインズ」に生まれ変わり、2007年10月に新装オープンした。そうしたビル全体の転換が進む中で屋上階の閉鎖が決まり、設備の老朽化が進んでいたスターホールの閉館決定は、2007年6月に公表された。

1980年10月25日の開館以来、入場者数は28年間で約120万人。144席という規模だが、近年の入場者数は年間4万人を超えていた(入場者数の推移などは星ナビ2008年4月号に掲載)。12メートルドームに星を映すプラネタリウムは、開館から1991年まではミノルタカメラ製MS-10、現在は2代目となる五藤光学研究所製G1014siが17年目の稼動中。運営は2000年夏から五藤光学研究所が担う形となり、プラネタリウムの新たな可能性を追求する様々な試みがなされてきた。町田市の成人式イベント「二十祭まちだ」に協力するなど、地域文化への貢献も果たした。

最後の番組のひとつ、メインプログラム「スターホールの星空にさようなら」では、日の入りから翌朝の日の出まで、当日見える星空をライブで解説している。最後なので何回も入場する観客が多くなるだろうと予想し、解説員によって内容を変えられるフリートークスタイルの投影にしたという。解説員として11年間在籍している小林則子さんは「最後まで、お客様のご期待に応えられる運営を続けていきたい」と語る。

番組や投影時刻、チケット販売方法などは、お出かけ前にリンク先のウェブページでご確認を。休館日は水曜日。


閉館を惜しむ声が相次ぐ中、署名運動の動きもあった。スターホールのファン6名が立ち上げた「町田にプラネタリウムを作る会」(会長:大谷崇麿さん)は、スターホールの閉館で町田市内には理科系の施設がまったくなくなり、地域の重大な損失であることを指摘。町田には安定した市の事業としてプラネタリウムが必要だ、というスタンスで署名活動を展開した。町田駅前や市内のお祭り会場、保育園や幼稚園などで呼びかけたところ、賛同の声が広がり、予想を超える7190名の署名が集まった。

作る会では2007年12月、署名を要望書とともに町田市へ提出。要望書にはプラネタリウム建設の意義や可能性など、前向きな提案を盛り込んだ。町田市からは、現時点では予算等の関係ですぐの着手は難しいが、今後研究の余地はある、との返答があったという。


(3月21日追記)

メインプログラム「スターホールの星空にさようなら」の見どころについて、東急まちだスターホール解説員の小林則子さんより以下のコメントをいただきました。ぜひお出かけください。

最後のメインプログラムでは、町田にお住まいのピアニストの方に日の入や日の出の曲を作曲していただきました。日の入の音楽をよく聴いていると…「町田」だとわかるんですよ。

番組ラストには、スターホールや星空の28年を振り返る演出も入っています。

ぜひ見にいらしてください。

<関連リンク>

<関連ニュース>