2009年 11月

木々が赤や黄色に染まり枯れ葉が舞うこの季節、夜空でも星々が移ろい流星が舞って秋を演出する。

宵の空でもっとも目立つのは、南西の空で黄色く輝く木星だ。西には青白い星で構成された夏の大三角も残っているが、だいぶ高度を下げてきた。天頂に昇っているのはペガスス座とアンドロメダ座の星が作る、秋の四辺形だ。

四辺形の西側の辺を南に延ばした先に、みなみのうお座の1等星フォーマルハウトがある。東側の辺を南に延ばすと、くじら座のしっぽ、デネブカイトスにぶつかる。ここから、星図を頼りにくじら座の心臓の方向を見てみよう。そこには14日前後に明るさがピークとなる変光星ミラが輝く。2等級から3等級程度になると予想されるが、紅葉のように赤い色を、ぜひながめてほしい。

午後9時を過ぎると、東の空にオレンジと黄色の星を見つけることができる。それぞれ、おうし座のアルデバランとぎょしゃ座のカペラだ。2つの星に先導されるようにして、冬の星座が次々と地平線から姿をあらわす。そして深夜、少し遅れて東の空に登場する赤くて明るい星が火星だ。その火星が1日から2日にかけてかに座のプレセペ星団を通過して、双眼鏡や望遠鏡でひときわ印象深い光景となる。

さて、11月と言えば忘れるわけにはいかないのが18日に極大となるしし座流星群だ。最近は活動が低調な年が続いていたが、2008年にやや多めの出現を見せた。今年も、幸運に恵まれれば18日の明け方ごろに活動が見られるという。2001年のような大量出現は望めないが、一つ一つの流星が明るいのがしし座流星群の特徴。派手に舞い落ちる流星が一つでも多く見られるよう期待したい。

今月の星空11月

全天星図

図は、15日の午後8時頃に、南に向かって見上げたときの星空です。
月初めは午後9時頃に、月末は午後7時頃に同じような星空になります。

今月の惑星11月

水星

上旬 中旬 下旬
等級 -1.1 -0.8 -0.6
視直径 4.7" 4.7" 4.9"
星座 てんびん てんびん へびつかい
現象
  • 3日 準惑星セレスに接近
  • 5日 外合

金星

上旬 中旬 下旬
等級 -3.9 -3.9 -3.9
視直径 10.3" 10.2" 10.0"
星座 おとめ てんびん てんびん
現象
  • 22日 準惑星セレスに接近

火星

上旬 下旬
等級 0.4 0.1
視直径 8.1" 9.4"
星座 かに かに
現象

木星

上旬 下旬
等級 -2.4 -2.3
視直径 40.8" 38.3"
星座 やぎ やぎ
現象
  • 9日 衛星エウロパがイオをかくす
  • 14日 衛星ガニメデがエウロパをかくす
  • 16日 東矩
  • 20日 衛星ガニメデがイオをかくす
  • 21日 衛星ガニメデがイオをかくす
  • 22日 衛星イオがエウロパをかくす

土星

上旬 下旬
等級 1.1 1.0
視直径 16.3" 16.7"
星座 おとめ おとめ
現象

天王星・海王星

天王星(中旬) 海王星(中旬)
等級 5.8 7.9
視直径 3.6" 2.2"
星座 みずがめ やぎ
現象
  • 5日 海王星が留
  • 21日 海王星が東矩