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星ナビ機材セレクション

「ETX-80BB」

※販売を終了しました

「ポルタA80M」

※販売を終了しました

星ナビ 2006年4月号

構成/星ナビ編集部
機材協力/(株)ビクセン、(株)ミックインターナショナル

2006年5月9日

ビクセン ポルタA80M

とにかくオーソドックスな8センチ屈折

ポルタA80M

発売以来、幅広い層の天文ファンから人気を集めているのが、ビクセンのポルタシリーズです。ポルタの架台も垂直と水平のふたつの回転軸を持ち、望遠鏡を空のどの方向へも向けることができる経緯台です。ポルタは、「シンプル イズ ベスト」をそのまま形にしたともいえる姿で、ベーシックな構造、オーソドックスなスタイルです。望遠鏡を手で押せばそのまま動き、手を離せばそのまま止まるというフリーストップ方式の機構は誰にでも使いやすく、さらに、回転軸にはウォームホイルというギアが組み込まれ、ハンドルを手で回して望遠鏡をゆっくり細かく動かすこともできますので、星の日周運動でずれた視野を直すような微妙な操作も簡単です。

ポルタ経緯台は鏡筒の種類によって多様なセット品がラインアップされていますが、口径8cm、焦点距離910mmのアクロマート屈折望遠鏡セットモデルがポルタA80Mです。伸縮式の三脚、さらにアイピース2本やファインダー、天体のガイドブックなども付いています。

望遠鏡は昔ながらの白塗装のやや長めの筒で、いかにも天体望遠鏡というスタイルです。こうした望遠鏡は、天頂付近を見るときは無理な姿勢になりがちです。そのため、ポルタA80Mにも、望遠鏡の真横からも覗くことができるフリップミラーが標準で付属しています。やや特異なのが、ファインダーです。A80Mでは、覗き込むと星空に赤い点が重なって見える、素通しで倍率1倍(肉眼と同じ)のスポットファインダーが付属しています。

ポルタシリーズは、鏡筒と架台が簡単に分離できるので、将来的なアップグレードにも対応できるのが大きな特徴です。


箱におさまったポルタA80M

箱は2つ届きます

ポルタシリーズは、架台と鏡筒が別の梱包となり、それぞれ段ボール箱に入って届きます。架台を収める箱のほうはやや細長く、三脚と経緯台がくっついた状態のまま収納できるようになっています。ポルタA80Mは組み立てた状態のままひょいと持ち上げられる程度の重さですが、車での遠出の時には2つの箱に収納して運搬しましょう。一般的なセダンタイプの乗用車の後部座席やトランクにも、充分に収まる大きさです。


同梱物一式画像

星座早見盤も入ってます

ポルタシリーズの同梱物はかなり充実しています。鏡筒、経緯台、さらに付属品であるスポットファインダーのそれぞれの詳細なマニュアルだけでなく、天体望遠鏡の基礎知識や使い方、見ることのできる天体とその楽しみ方を解説した「天体望遠鏡ガイドブック」が付いてきます。さらに星座早見盤まで付属していて、望遠鏡で初めて星を見る手引きとして最小限のものは揃っているといえます。


ファインダーを使用

ファインダーで合わせます

ポルタA80Mでは、手動操作で望遠鏡の視野の中に天体をとらえなければなりません。とはいえ、望遠鏡は見える範囲が狭いため、いきなり目標の天体をつかまえるのは困難です。そこで必要なのがファインダーです。ポルタA80Mに付属するのはスポットファインダーと呼ばれる簡易的なものですが、ファインダーを覗けば空のどのあたりを見ているのか目印が見えます。コツをつかめばとても素早く目標天体に向けられるようになります。