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星ナビ機材セレクション

月・惑星カラー撮影の最強パッケージが登場!

「オートスタースイート」

※販売終了

2005年11月9日

強力な自動コンポジットと撮影を支援する機能の数々

撮影機能をクローズアップしてみよう。望遠鏡の接眼部に取り付けるLPI Cameraは、30万画素のCMOSセンサ、USB接続という、カメラ単体で見れば通常のウェブカメラと何ら違いがないスペックである(ただし、後述する長時間露出の仕組みがある)。オートスタースイートでの撮影の真価は、LPI Imagingソフトによる画像取り込みにある。

いちばんの特長は、天体自動追尾によるリアルタイムコンポジット機能だ。LPI Imaging上でライブに月や惑星を映し出している際、パソコンの画面上の天体部分をカーソルドラッグして囲う。すると、天体の中点を自動判別して追尾してくれるのだ。このような技術は従来の多くのコンポジットソフトにも採用されているが、撮影時に実現している点は目新しい。このため、それほど追尾精度が良くない架台であっても、画面内で天体の中点を追尾し、適切にコンポジットしてくれるという優れものだ。ETX-105ECと2.5倍バローレンズ、そしてLPI Cameraという組み合わせで試したところ、天体が視界から外れそうになったときにコントローラで写野を激しく動かしても、しっかりと自動追尾をしてくれた。かなり頼れるレベルだ。

そして撮影をスタートをすると、設定された値で自動的に追尾し、コンポジットした画像を更新し続けることが可能だ。例えば、1秒露出(Offset)で2枚のコンポジット設定(Evaluation Count)であれば、約2秒おきにコンポジット画像が更新されるのだ(1回のみか更新し続けるかは選択可能)。クオリティ設定(Min Quality)もあり、この設定では指定した画質に満たなければそのコマは破棄され画像の更新間隔がずれる。なお、LPI Cameraは0.01秒から15秒までの露出時間設定が可能だ。露出時間を長めに設定すれば月・惑星だけでなく複数コマのコンポジットを前提とした星雲の撮影も視野に入る。

撮影支援機能はほかにもある。Magic Eye Focusと呼ばれるウィンドウ左下の表示は、合焦の度合いを表示する機能だ。オレンジ色の三角が赤い線に近づくほどピントの精度が高いと判断できる。環境によっては、シーイングの状態を確認する指針として使うこともできる。

自動中点判別

LPI Cameraからの像を映し出し、天体を囲うと自動的に中点を判別して緑色の十字線が表示される。以降、中点を自動追尾してくれる。

GainとOffsetの設定

「Auto Ad」ボタンを押して自動設定をすると、ゲイン値が振り切って100になる。きれいに撮るためには手動でGainとOffset値を設定する必要がある。


月のコンポジット処理

LPI Imaging上で月をリアルタイムコンポジット処理した例。ウィンドウ右上の「Save Every Image」をチェックしておくと、ファイルを切り替えてコンポジット更新し続けることが可能。

USB−シリアル変換アダプタ

オートスターにパソコンを接続し、Autostar Suiteで位置連動表示をすることもできる。パソコンがシリアルポート未搭載の場合は、市販のUSB−シリアル変換アダプタを使おう。


撮影例:木星

カメラの画素数は惑星撮影にはじゅうぶんだが、ETX直焦点では木星であっても像が小さいので拡大率を上げるくふうが必要だ。左はテレコンバータを併用して拡大した例。


■オートスタースイートの仕様
LPIカメラ CMOS 30万画素カラー USB接続
シャッタースピード : 0.01〜15秒
ソフト動作環境 OS : Windows98SE以降/XP
必要メモリ容量 : 64MB以上
必要ディスク容量 : 100MB(基本プログラムのみ)
望遠鏡制御 : #497オートスター(ファーム3.0以降)、またはオートスター II
価格 20,790円(税込)
問合せ (株)ミックインターナショナル
TEL 045-858-1317
http://www.micint.co.jp/