金星探査機「ビーナスエクスプレス」、最後の軌道上昇中

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【2014年7月15日 ヨーロッパ宇宙機関

8年間金星を観測してきた探査機「ビーナスエクスレス」が、いよいよミッションの最終段階に入っている。ここ最近は低い軌道で大気の調査を行っていたが、7月中旬には再び高度を上げ、そこから自然落下して今年中に運用終了となる予定だ。


ビーナスエクスプレス

金星大気を抜けて上昇するビーナスエクスプレス(CG図)。クリックで拡大(提供:ESA--C. Carreau)

2006年から金星の観測を行っている欧州の探査機「ビーナスエクスレス」が、ミッションの最終段階を迎えている。

5月中旬に所定のミッションを全て終えた後、金星の引力と軌道修正によって高度130km付近まで軌道を下げ、大気の調査を行っていた。機体が受ける大気抵抗から推算される大気濃度は、高度165kmで1000億分の1kg/m3、130kmでは1億分の1kg/m3となっている(参考:地球の海面では約1kg/m3)。

また、探査機の太陽電池パネルの温度が急激に上がるようすも測定されており、将来の探査機設計に活かされる。

7月中旬の間は再び高度を上げているところで、燃料が尽きなければ26日までに高度460km以上の軌道に入る。それ以降は自然落下して今年中に最期の時を迎える予定だ。


探査機の位置と航路

天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」では、「ビーナスエクスプレス」など主な探査機の設定日時における位置や航路を表示することができます。

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