美しく青き銀河に5年前の大爆発の名残り

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【2012年8月8日 ESO

ヨーロッパの超大型望遠鏡VLTが、6000万光年かなたの銀河NGC 1187の全貌を見事にとらえた。その中には、2007年に出現した超新星の名残りも見られる。


銀河NGC 1187

銀河NGC 1187。クリックで超新星の印つきで拡大(提供:ESO)

エリダヌス座の方向約6000万年かなたにある銀河NGC 1187は、ほぼ正面向きでその構造がよくわかる美しい渦巻銀河だ。大量のガスと塵を含んだ明るい渦状腕が数本見えており、その中に星間ガスから生まれた若い星の青い輝きが見える。

銀河中心には、黄金色をした銀河のバルジ(中心部のふくらみ)が見える。この部分にあるのはが古い星とガスと塵がほとんどだ。バルジは球形というよりやや棒状になっており、腕部分のガスがこの棒構造を通って中心部に流れ込み星生成を促すと考えられている。

穏やかで変化がないように見えるこの銀河も、1982年と2007年の2度、超新星が現れたことがある。超新星は星の一生の最期に起こる大爆発で、始めはまばゆい光を放ち、数週間から数か月かけてゆっくりと消えていく。

南アフリカのアマチュア天文家Berto Monardさんが発見した「SN 2007Y」は、約1年にわたって詳細な観測が行われた。数年が過ぎてから撮影されたこの画像にも、その光はまだ消えずに残っている(拡大画像の下部、印の箇所)。