世界初の人工衛星「スプートニク1号」打ち上げ50周年

【2007年10月4日 アストロアーツ】

旧ソ連が、世界初の人工衛星「スプートニク1号」を打ち上げたのは1957年10月4日(日本時間10月5日)。「スプートニク・ショック」が世界を駆けめぐってから、ちょうど50年が経過した。


スプートニク1号

スプートニク1号。クリックで拡大

50年前のモスクワ時間1957年10月4日午後10時28分(日本時間5日午前4時28分)、ソビエト社会主義共和国連邦のカザフスタンにあるバイコヌール基地からR-7ロケットが飛び立った。約5分後にロケットの最終段が燃焼終了、直径58センチメートルで重量83.6キログラムのアルミ製球体が放出された。世界初の人工衛星「スプートニク1号」が軌道に投入されたのだ。

球体には4本のアンテナが備わっていて、周波数20メガヘルツおよび40メガヘルツの電波で0.3秒ごとに信号を送信していた。信号は世界中で観測され、「スプートニク・ショック」が駆けめぐった。科学技術でソ連を上回っているとされていたアメリカ合衆国は面目を失い、宇宙開発に本腰を入れることになる。

スプートニク1号から始まった米ソ宇宙開発競争は、ソ連のガガーリンを乗せた「ボストーク1号」による世界初の有人宇宙飛行や、米国の「アポロ11号」による世界初の有人月面着陸などの成果をもたらした。その後、冷戦が終結を向かえるとともに、「国際協調」が宇宙開発のキーワードとなる。国際宇宙ステーションはその象徴的存在だ。

スプートニク1号から50年、宇宙空間へ放たれた人工衛星・探査機は合わせて約5,900個。


世界を驚かせたスプートニク1号の電波信号。それを受信した信号音は、以下のアドレスで聞くことができる。

http://www.jpl.nasa.gov/multimedia/audioclips/sputnik-beep.mp3

宇宙航空研究開発機構(JAXAの情報センター「JAXA i」(東京都千代田区)では、スプートニク1号打ち上げ50周年を記念した写真展を開催中だ。

アストロアーツの月刊天文雑誌「星ナビ」2007年11月号は、特集「スプートニクが飛んだ日」を掲載。ソ連崩壊によって少しずつ明らかにされてきた宇宙開発の舞台裏や、打ち上げにいたるまでのソ連の熱い挑戦を紹介している。日本でスプートニク1号を観測した天文ファンによる回想録も必見だ。

ムック「スペースガイド 宇宙年鑑2007」も、スプートニク1号を中心にロシアの宇宙開発史を特集している。また、世界の宇宙開発機関、ロケット、人工衛星、探査機などに関するあらゆるデータを網羅した資料編は、宇宙開発50年の歩みをながめるのにうってつけだ。

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