ばく大なエネルギーを放つ太陽のコロナ質量放出の初3D画像

【2004年7月8日 ESA Sience News Release

太陽からのコロナ質量放出(CME)のガスの様子を3D画像にすることで、その構造やコロナ質量放出にエネルギーを与える磁場活動について貴重な情報がもたらされた。

(公開された3D画像の一部) (SOHO LASCO-C3コロナグラフによるコロナ質量放出の画像)

(上)公開された3D画像の一部、(下)SOHO LASCO-C3コロナグラフによるコロナ質量放出のようす(提供:ESA)

コロナ質量放出は、太陽の複雑な磁場の活動によって引き起こされる、ばく大な量の荷電粒子やエネルギーが放出される現象だ。この現象のため、しばしば衛星やその観測機器が影響を受け、地球上でも通信障害が発生することがある。

われわれは磁場を直接見ることはできないため、電気を帯びたガスが磁場の周りを渦巻き、形となったものを観測する。このような状態にあるガスを立体的にとらえ3D画像化することで、太陽の磁場の詳細が明らかにされたのだ。3D画像からは、地球の方向に放出されるコロナ質量が、泡や縄状の構造ではなくループ状であることなど、その構造やコロナ質量放出にエネルギーを与える磁場活動について貴重な情報がもたらされた。

この技術は、日食時における太陽の大気中の構造を調べるために開発されたもので、2006年2月に打ち上げが予定されているSTEREO(Solar Terrestrial Relations Observatory)ミッションにも役立つことが期待されている。

なお、リリース元では、3D画像の動画が公開されている。