ミール、再び無人に。乗組員、無事地球に帰還

【2000年6月16日】

今年4月6日からロシアの宇宙ステーション「ミール」に乗り組み、ステーションの補修任務を行なっていた2人の宇宙飛行士、Sergei Zalyotin氏およびAlexander Kalery氏は6月16日、無事地球に帰還し、任務を成功のうちに完了した。2人のミールへの滞在期間は73日間だった。

今回の飛行は、ミールをリースして商用に用いることを事業とする国際ベンチャー企業、ミールコープ社により出資されており、史上初の100%民間出資による有人宇宙飛行だった。飛行の目的は、ミールを商用利用可能な状態にすること。主要な成果は次のとおり。

  • 初の民間出資による宇宙遊泳(EVA)。この5月12日に実施されたEVAでは、宇宙ステーション修理のための新技術の試験が行なわれた。
  • ミールの補修。今回の飛行以前から続いていた空気漏れの個所を発見、修復した。また、地上へ画像などのデジタルデータを送信するためのシステム拡充を行なった。
  • 初の民間出資によるステーションへの補給。乗組員到着前の2月3日、および乗組員の滞在中の4月27日の2回にわたり、無人の補給船「プログレス」を用いて行なわれた。

現在、ミールは再び無人となっている。次のミールへの有人宇宙飛行は、今年秋に向け計画中だが、資金確保の目処は未だ立っていない。もしかしたら、今回帰還した2人の宇宙飛行士が、ミールの最後の乗組員ということになるかもしれない。その場合、ミールは今年後半にも海中投棄され、14年に渡った飛行を終える。

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