今晩極大ペルセウス座流星群のみかた

【1999年8月12日】

ヨーロッパ−西アジア皆既日食も終わってまもないが、はやくもスカイウオッチャー・アストロアーツには、今晩極大となるペルセウス座流星群ついての問い合わせが増えてきた。ここでは、ペルセウス座流星群について、よく聞かれる質問についてまとめてみることにした。

● 何月何日に見られるのか?  → 今晩がピークだが、それ以降でも見られる

表題のとおり、ペルセウス座流星群は今晩(8月12日晩〜13日早朝)が極大であり、今晩がもっともたくさんの流星が流れる。ペルセウス座流星群には、「極大」と呼ばれる出現数のピークが2度あるが、それは今年は明日13日の明け方6時と昼の13時だ。日が昇っている間は流星は肉眼ではほとんど見ることができないので、もっとも多くの流星を見たいのなら、見るのは今晩、もしくは明晩であろう。さいわい昨日日食あったことからもわかるように、今日はほぼ新月。今晩・明晩なら月明かりに妨害されることもなく、流れ星を楽しむことができる。

ペルセウス座流星群の2度のピーク

  太陽黄経 極大時刻(JST)
通常極大 140.0度 8月13日13時ごろ
新極大 139.7度 8月13日6時ごろ

ただし、ペルセウス座流星群自体は7月20日〜8月20日の約1か月間活動している。今晩を逃しても、出現数こそ少なくなるものの、ペルセウス座流星群はまだ明日・明後日、さらにはそれ以降にも見ることはできる。天候などが思わしくなくても、日食のように、その日を逃すと当分見られない天文現象とは異なるので、この点は安心だ。

● 何時にみられるのか?  → 明け方メインだが、事情が許せば一晩中見ているのがベスト

ペルセウス座流星群の放射点のあるペルセウス座は、東京付近では20時ごろには地平線の上に顔を出し、その後夜が更けるにつれ高度を上げて行く。よってペルセウス座流星群の流星を見るには、明け方に近いほうが放射点高度があがるので有利だ。事情が許せば今晩一晩中見てるのがベスト。後は体力と眠気、それに明日の予定しだいだ。

● どの方角に見えるのか?  → 北東の方角だが、それよりもなるべく空が広く開けているところ

ペルセウス座は東京付近では北北東の空に昇り、その後だいたい北東の空に見える。そこで、放射状に流星が飛ぶさまを見たいのなら、北東の開けている場所がよい。ただし、流星自体は北東に限らず全天にくまなく飛ぶので必ずしも北東にこだわる必要はない。むしろ、なるべく空の開けた場所を探して観望したほうがより多くの流星に出会えることだろう。

● どうすればたくさん見えるか?  → 目を暗闇に慣らす・人工光源を目に入れない・寝転がり視界のすべてを星空にする・みんなでいろんな方角を見る

まずは暗闇に目を慣らすことだ。よく映画館の例が引き合いに出されるが、人間はしばらく暗闇にいると、目の感度がアップする。感度がアップすれば暗い流星まで捉えられ、数多くの流れ星が見えることになる。ただし、途中でライト等を見てしまうとすぐに目の感度はダウンし、復活まで時間がかかるので、なるべく街灯やライトを目に入れないようにしよう。
 また、立って見るよりもデッキチェアなどの上に寝転がって、視界のすべてを星空にしたほうが流星の補足率が上がる。それでもひとり人間の目では全天すべてをカバーすることはできない。そこでそれぞれ見る方角の担当を決め、みんなでいろいろな方角を見るようにしたい。流星が流れたら「飛んだ!」などと言うようにすれば、グループ全体としての補足率は上がるであろう。というより、そうやってワイワイ見ることが、流星観望の楽しいところなのだ。

● どこに行けばよいのか  → 晴れているところ・空が暗いところ・人工光源のないところ・空の開けているところ・空気の澄んでいるところ・危険のないところ

問い合わせのある質問の中でいちばん回答の難しいのがこれ。それはすべての条件を満たした理想の場所というのがあるのではなく、それぞれが住んでいる地域・交通手段・ライフスタイルなどによって最適の答えが違ってくるからだ。

条件的には、次のことが挙げられる。まずは当然ながら空が晴れてなければ流星は見えない。住んでいる場所から移動して観望するなら、天気予報を見てより晴れそうな方面に行くことになる。そして行くなら空の暗いところだ。2等星までしか見えない都会から6等星まで見える山奥まで行けば、見える流星の数は10倍以上の差となる。山奥で100個以上の流れ星が見えていても、都会では数個しか見えなかった、ということもザラだ。だから、流星を見るならとにかく空の暗いところに行くのがよい。となると、なるべく人工の明かりを避けた空気の澄んでいるところとなろう。空が汚れていると、町明かりや月明かりを散乱して、空が薄くボーっと白んでしまう。そして最後には、危険のないところにいくということだ。これまであげてきた条件を満たそうとすると、ともすれば危険な場所に行くことになりかねない。くれぐれも安全には気をつけてほしい。

● ペルセウス座流星群 インターネットライブ中継

昨日の皆既日食はインターネットにてライブ中継されたが、今晩のペルセウス座流星群もライブサイトにて生中継される予定だ。

インターネットライブ中継の予定

WNN-U インターネット観望会 12日23:00〜24:00 SoftwareVision使用 さじアストロパーク・佐治天文台
NIFTY Serve FSPACE 星空ライブカメラ 12日23:00ごろ〜 ブラウザー自動更新 那須と八ヶ岳からの中継
NASA The Perseids, Live! 13日16:00(JST) RealPlayer使用 観測気球からの中継

なお、流星についての一般的なことは、昨年11月のしし座流星群特集が詳しい。今回はペルセウス座流星群であり流星群としては異なるが、どこ?に行けば流星が見える?、どうやって?流星を見る?撮影する?の個所など、流星を見る上で共通する部分は多いであろう。ぜひとも参考にしていただきたい。

参考: 8月13日 ペルセウス座流星群が極大
  天然の花火、ペルセウス座流星群
  ペルセウス座流星群は今晩が極大
  ペルセウス座流星群が極大(1998年8月12日)