土星探査機がとらえた、はるかなるヴィーナス

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【2013年3月6日 NASA (1)(2)

太陽系の中で地球のひとつ内側を回る金星と、はるか遠くの巨大なガス惑星、土星。NASAの土星探査機がこの2天体を1つのフレームに収めた、印象的な画像が公開されている。


土星の環ごしに見える金星

土星の環ごしに見える金星。クリックで広域拡大(提供:NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute)

土星の朝に現れる金星

土星の朝に現れる金星。クリックで広域拡大(提供:NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute)

今の時期、深夜の南東の空にうしかい座のアルクトゥールスやおとめ座のスピカを追って現れる土星。太陽から地球までの10倍も外側にあるこのはるかなる惑星の周りで9年間観測を行ってきたNASAの探査機「カッシーニ」から、「土星から見る金星」の印象的な画像が届いた。

1枚目は、2012年11月に撮影したもの。土星から約80万kmの距離から、環ごしにとらえた白い点のような金星が見える。1990年に「ボイジャー1号」が青い点のような地球をとらえた有名な「Pale Blue Dot」を思わせるが、こちらも同様に太陽系の大きさを実感させてくれる。

2枚目は、今年1月に土星から約60万kmの位置で撮影したもの。土星の朝を迎えようとしている側に、やはり点のように輝く金星が見えている。土星の空にも明けの明星は現れるのだ。金星のすぐ下は土星のG環、そのさらに下にはE環のダストが光を散乱して青っぽく見えている。


「ステラナビゲータ」で土星の旅をシミュレーション

天文ソフト「ステラナビゲータ」でいろいろな土星の旅をシミュレーションすることができます。

  • 太陽系を横断して土星に接近する
    「フライト」スタイルで「太陽系フライト」シミュレーションを行い、土星に接近します。
  • 土星の地表から星空を見る
    観測場所を土星に設定します。
  • 探査機「カッシーニ」の1997年の打ち上げから2011年までの航路を見る
    表示形式を「太陽系」に設定し、「天体」メニュー→「探査機」からカッシーニの表示を設定します。