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ETX望遠鏡とWebカムで惑星撮影にトライ!

「感動を覚えるような天体写真を撮るなど、自分には無理なのでは?」

−そんなことはありません。

ETXによる撮影

革新がめざましいデジタル技術の恩恵を受ければ、10〜20年前にはアマチュアが入手することが困難だった幾つもの自動制御が、比較的安価で手に入ります。天体望遠鏡のデジタル革新と、天体写真のデジタル処理革新は、手軽な天体写真撮影を実現してくれたのです。

ここでは、これから天体望遠鏡を手に入れようと思っている人はもちろんのこと、すでに持っているけれど天体撮影にチャレンジしてみようと思っている人のために、基礎的なガイドとなるよう、全体的な操作方法を紹介します。

木田佳克(Yoshi's ETX Site

惑星写真撮影はこの10年で格段に敷居が下がった

ETXで撮影した惑星の数々

天体望遠鏡を手に入れれば、月のクレーターはハッキリと見ることができ、木星の縞模様、土星のリングを見るといったことは、比較的早い時期に確認することができるでしょう。

天体望遠鏡の入手後は、アイピースのバリエーションを増やしていき、いっそう高倍率で眺めてみたり、市街地に住んでいるならば、遠征して環境の良い地で眺めてみたり、星空と天体望遠鏡の関わりは、機材と環境選びでさまざまな活用方法があります。

多くの人を魅了するものの1つとして、「いま、観ている天体の感動を写真に収めてみたい……」。覗いた誰もが思うことでしょう。しかし、撮影となると昼間の風景写真とは違い、機材の扱い方が難しいのでは?そう考える人が多いと思います。

しかし、最近では、アマチュアでもNASAが撮影した写真に迫るほどの惑星写真を撮る人が増えています。それは何故でしょう?その理由の1つとしては、Webカメラとコンポジット処理がスタンダードになったからに他なりません。

一般的に、天体写真を撮ろうと考えた場合、機材自体の追尾精度が(特に天体望遠鏡を介して撮影を試みると)要求されます。忠実に天体を追尾しつつ撮影をしなければ、昼間の風景とは違い比較的暗い対象である天体は、簡単にブレてしまいます。

その一般的な対策としては、機材が重装備となり、外部からの影響を受けないようにする考え方が多く、またなめらかな追尾を追求すると精度の良いギアが必要となってきます。マニアであればよいでしょう。しかし、最初のステップとして気軽に撮影してみたい、どんな手順なのか体験してみたい。しかも、それなりに見栄えの良い写真を撮ってみたい。そんな時に最適なのが、ここで紹介する組み合わせです。

取り上げるのは、Webカメラ(Webカム)とコンポジット処理を前提とした惑星の撮影方法です。いちど体験すると、惑星や月は日増しに撮影のコツが分かってきます。そして、天体追尾の大切さを実感するとともに、パソコンでの画像処理によって予想以上の写真になることに驚きを覚えることでしょう。