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2013年 ふたご座流星群

12月、次第に寒さが身にしみてくるころ、「ふたご座流星群」がやって来ます。今年もっとも流星が見やすいとされるのは12月13日深夜から15日の朝にかけてです。月明かりの影響を受けますが、透明度の良い冬の空、たくさんの出現に期待しましょう。

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ふたご座流星群の見え方・見方

見ごろは12月13日と14日の夜、深夜から明け方にかけて

2013年12月14日 午前0時ごろの全天のようす

2013年12月14日 午前0時ごろ、ふたご座流星群が流れるようす。画像中央が頭の真上。流れる方向を示すため出現率を高く設定しています(ステラナビゲータで作成)

ふたご座流星群の放射点は、日が沈み空が暗くなったころに東北東の地平線から昇ってくるため、夜明けまでの間一晩中観察できます。流星群は飛ぶ流星の数が同じと仮定した場合、放射点の高度が高いほどたくさん見えるようになります。ふたご座流星群の放射点は、夜中の2時ごろにほぼ天頂まで昇ります。この時間帯にたくさん見ることが期待できます。

2013年のふたご座流星群がもっとも流れる極大時刻は、12月14日15時ごろと予想されています。これは日本では昼間の時間なので、12月13日と14日の夜、深夜から明け方にかけてがチャンスです。その前後の日の夜も流星がたくさん飛ぶ可能性がありますので、天気なども見計らいながら観察に臨むとよいでしょう。

今年は月明かりの影響あり

街明かりはもちろん、月明かりもないほうが流れ星をたくさん見ることができます。12月13日から14日にかけての夜は月齢11の月があります。月が沈む午前3時半から4時ごろ(地域によって時間差があります)までは、月明かりがあるので条件的によくありません。毎年ふたご座流星群のピークには1時間あたり20〜30個くらいの流星が見られるのですが、月の影響で見られる数が少なくなるかもしれません。月が沈んでから空が明るくなる薄明開始までの1時間半くらいは、観察条件がよくなります。

ちなみに月が沈む時間は、12日〜13日の夜は午前2時半から3時ごろ、14日〜15日の夜は4時半から5時ごろになります。

流星観察のポイント

2013年12月14日 午前0時ごろ南東の空のようす

2013年12月14日 午前0時ごろ南東の空のようす。流星の出現数は誇張して描いています。

流星は放射点の方向から飛んできますが、いくつもの流星の流れた跡をたどって行くと放射点で交わるのであって、実際には空のいたるところに流れます。したがって必ずしも放射点の方向にこだわる必要はなく、空を広く見わたすのがよいでしょう。見晴らしのいい場所で、冬の星座や星を楽しみながら空を眺めることをおすすめします。双眼鏡があれば、明け方北東の空に昇ってくるラブジョイ彗星も探してみましょう。

簡易ベッドの例

ビクセン「ソラリラ(星空ベッド)」
寝転がって空を楽しむためのアウトドア用折りたたみ式ベッド。星座探しに役立つ「星座早見盤」が付属。

流星を観察するために長時間夜空を見上げ続けていると首が痛くなります。アウトドア用のチェアやベッドを用意できればベストですが、グラウンドシートに寝転がって見るのも快適です。ただし、車の往来がある駐車場ではたいへん危険ですので寝転がるのはやめましょう。

とても寒い時期です。防寒着はもちろん、しっかり寒さ対策をして流星観察を楽しんでください。

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ふたご座流星群の特徴

毎年安定してたくさん流れる

ふたご座流星群の流れ星

ふたご座流星群の流れ星

毎年決まった時期に星空の同じ位置を中心にしてにたくさんの流星が流れますが、これを流星群といいます。12月のふたご座流星群は、1月のしぶんぎ座流星群、8月のペルセウス座流星群とともに三大流星群のひとつとして数えられています。

ふたご座流星群は、ピーク時には毎年安定してたくさんの流星が飛び、ほとんど期待を裏切らない流星群です。

ふたご座流星群とは

ふたご座流星群の放射点

ふたご座流星群の放射点

流星群は、ある一点から四方八方に放射状に流れるように見えます。この一点を放射点と呼びます。流星群の名前は放射点のある(または放射点の近くの)星座名で呼ばれます。ふたご座流星群はふたご座のα星カストルの近くに放射点があるのでそう呼ばれています。

地球とファエトンの軌道

惑星とファエトンの軌道。12月14日に地球がファエトンの軌道あたりにあることがわかる。惑星は大きく表示

通常、流星群は尾をたなびかせる彗星が放出していったチリ(流星物質)がもとになっていますが、近年、ふたご座流星群の起源となった母天体は小惑星ファエトンではないかと考えられています。小惑星には尾はありません。つまり、かつてファエトンは彗星であったかもしれないことを物語っているのです。

□月刊星ナビ 2014年1月号
今月の視天「ふたご座流星群の母天体・小惑星ファエトンが彗星活動」

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ステラナビゲータ9
でふたご座流星群を再現する

ふたご座の流れ星の流れ方を、天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」で見てみましょう。

主な流星群をリボンバーから一括表示

リボンバーから放射点と名称を一括表示

リボンバー[流星・人工天体]タブから、流星の[放射点]や[名称]を表示します。リボンバーのボタンでは、ステラナビゲータで表示できる16の流星群すべてについて一括で設定します。

ふたご座流星群のみを選ぶ

リボンバーから[流星]ダイアログを開く

メニューバーから[流星]ダイアログを開く

ふたご座流星群のみを選んで表示設定したいときは、[流星]ダイアログを開きます。リボンバー[流星・人工天体]タブ→[詳細]ボタン、あるいはメニューバーの[天体]→[流星]で開きます。

[流星]ダイアログでふたご座流星群の表示を設定

[流星]ダイアログでは、流星群の表示について個別で設定できます。[表示]をオンにすると、アニメーションを実行したときに流星が描画されます。[放射点][名称]では、放射点の位置と流星群の名称をそれぞれ星図に表示します

[出現確率]を最大1000倍まで増やして、流星群をわかりやすく誇張表示することができます。[出現確率]はリボンバー[流星・人工天体]タブでも設定できます。

流星の光跡を残す

メニューバーからアニメ中の光跡残しを設定

設定バーからアニメ中の光跡残しを設定

[光跡残し]で、アニメーションで表示される流星を消えずにそのまま描画させておくこともできます。メニューバー[設定]→[光跡残し]か、設定バーの[光跡残し]→[アニメ中に残す]をクリックしておきます。

[アニメ中に残す]のかわりに[常時残す]に設定すると、アニメーション中だけでなく時間間隔をステップした場合にも光跡を残します。

アニメーションを実行

アニメバーの[実行]をクリックしてアニメーションを実行させます。

撮影の構図を決める

設定バーから心射図法に設定し、リボンバーから[視野・写野]から写野角を表示

地平座標モードでアニメーション実行

写真撮影の構図を検討するために、[表示形式]を[心射図法]にして、[視野・写野]タブ→[撮像エリア]で写野角を表示します。[光跡残し]を使えば流星の飛ぶ方向や角度が一目瞭然となるので、放射点と星座の位置からカッコイイ構図を見つけましょう。

注意:流星が描画されるのは表示形式が地平座標モード(地平座標の心射図法含む)の時だけです。[赤道座標][黄道座標][銀河座標][全天][太陽系]ではアニメーションを実行しても流星は表示されません。