ロゼッタの着陸機フィラエ、降下場所は彗星の「アヒルの頭」

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【2014年9月17日 ヨーロッパ宇宙機関

チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星を観測中の探査機「ロゼッタ」が着陸機「フィラエ」を降ろす目標地点が決定した。複数の候補地から選ばれたのは、アヒルのような形をした彗星の「頭」の部分にある場所だ。


彗星の全体像と、着陸予定地となったJ地点

「アヒルの頭」側から見た彗星の全体像と、着陸予定地となったJ地点。クリックで拡大(提供:ESA/Rosetta/MPS for OSIRIS Team MPS/UPD/LAM/IAA/SSO/INTA/UPM/DASP/IDA)

J地点の拡大画像

J地点の拡大画像。比較的起伏が少なく日当たりの条件がよいため、ベストな着陸地と判断された。フィラエは着陸後、銛やねじを打ち込んで機体を地表に固定する。クリックで拡大(提供:ESA/Rosetta/MPS for OSIRIS Team MPS/UPD/LAM/IAA/SSO/INTA/UPM/DASP/IDA)

ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の探査機「ロゼッタ」がチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)に着陸機「フィラエ」を降下させる地点として、第1目標地点と、第1目標に問題があった場合のバックアップとなる第2目標地点が5箇所の候補から選定された。

第1目標は、彗星全体をアヒルの形にたとえると「頭のてっぺん」にあたるJ地点、第2目標はおしりの部分にあたるC地点である。

フィラエ担当者のStephan Ulamecさんは、ロゼッタがこれまで送ってきた彗星の観測画像を見て「観測対象としては面白いが着陸は困難を伴う」と語る。どの候補もそれぞれに難があったものの、J地点がベストということですんなりと決まったという。きつい傾斜や大きい岩が比較的少なく、フィラエの動力源となる太陽光がじゅうぶん当たることが決め手となった。

8月からチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星を追跡しているロゼッタは、当初は彗星からおよそ100km離れた軌道上を飛行していたが、現在は30kmまで近づいている。送られてくる画像には、彗星核表面の細かい地形が見えてきた。

史上初の彗星着陸の予定日は11月11日となっているが、今後軌道解析など総合的な評価を行った後、10月14日に最終的なゴーが出される予定だ。