木星の衛星エウロパでプレートの沈み込みの証拠

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【2014年9月12日 Phys.org

木星の衛星エウロパで、プレートが沈み込んでいるとみられる証拠が発見された。これまで太陽系内でプレートの移動が起こっている天体は地球だけだと考えられてきており、興味深い研究成果だ。


エウロパ

木星の衛星エウロパ。クリックで拡大(提供:NASA/JPL/Ted Stryk)

プレートの沈み込みのプロセスを示した図

プレートの沈み込みのプロセスを示した図。冷たく不安定な厚さ20〜30kmの氷の外層が、より温度の高い層の内部へと移動する。クリックで拡大(提供:Noah Kroese, I.NK)

米・アイダホ大学の惑星地質学者Simon Kattenhornさんと米・ジョンズ・ホプキンス大学応用物理研究所のLouis Prockterさんは、1995年から2003年にかけて木星やその衛星を周回したNASAの探査機「ガリレオ」の画像から、衛星エウロパの表面に見られる隆起地形や割れ目を調べた。

13万4000km2のとある領域を調査したところ、表面の一部で2つの氷のプレートの境界に沿って2万km2もの領域が消失していることがわかった。

地球には、2つのプレートが出会い、下にあるほうのプレートがすべってマントルに沈み込んでいる「沈み込み帯」と呼ばれる領域がある。これと同様にエウロパでも、一方のプレートが別のプレートの下に沈み込み、表面の一部の領域が消えたと考えられる。

エウロパでは、やや温度の高い下部層の対流に乗って表面が移動する「プレートテクトニクス」が起こっているのかもしれない。もしそれが事実なら、地球以外で初めての発見だ。