「プランク」がとらえた天の川銀河の磁場

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【2014年5月7日 ESA

天文衛星「プランク」の最新データから、天の川銀河の星間塵が発する光の偏光をとらえた初の全天マップが作成された。偏光を示す模様から、銀河内の磁場構造がうかがいしれる。


天の川銀河の磁場

太陽系から見た天の川銀河の全天テラヘルツ波(353GHz)マップ。クリックで拡大すると見える細い筋は磁場構造を反映している(提供:ESA and the Planck Collaboration)

画像は、宇宙背景放射観測衛星「プランク」で撮影した天の川銀河の全天マップだ。拡大画像に見られるうねうねとした細い筋は、プランクの搭載機器でとらえたテラヘルツ波の偏光を示している。

天の川銀河内の星間雲に含まれる宇宙塵の粒は、銀河内の磁場の影響で向きが揃うようになる。それにともなって塵が放射する光(テラヘルツ波を含む電磁波)も偏光(波の振動方向が揃うこと)し、これが観測される。つまり、天の川銀河の偏光から、銀河内の磁場構造がわかるのだ。

この画像は、天の川銀河の星間塵が発する光の偏光をとらえた初の全天マップだ。1種類の電磁波の波長をとらえたものだが、年内には7つの波長による全天の偏光観測データが公開される予定だ。