赤外線で見るアンドロメダ銀河

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【2013年1月31日 NASA

私たちからもっとも近い大規模銀河として有名なアンドロメダ座大銀河(M31)。星の輝きで見えるなじみの姿とは違った赤外線画像が公開された。


赤外線で見るM31

赤外線で見るM31。赤色はもっとも低温の塵、中央付近の青色はやや高温の塵を示している。クリックで拡大(提供:ESA/NASA/JPL-Caltech/NHSC)

可視光で見るM31

可視光で見るM31。クリックで画像ギャラリーのページへ(撮影:Lynx_5さん)

約200万光年かなたにある「アンドロメダ座大銀河」(M31)は、暗い空ならぼんやりと広がる姿が肉眼でも見える、おなじみの天体だ。太陽系が属する天の川銀河には数千億個の星々があるとされるが、M31は最大で1兆個の星が輝いていると推測される()。

私たちの眼や普通のカメラがとらえる光(可視光線)は銀河の星々が放つ輝きだが(画像2枚目)、可視光線よりも波長の長い赤外線で観測すると、星の材料となる塵が見えてくる(画像1枚目)。

ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の赤外線天文衛星「ハーシェル」が撮影した画像には、絶対温度数十度(参考:絶対零度=摂氏マイナス273度)というひじょうに低温のちりが放つわずかな熱が赤外線としてとらえられている。

M31は、肉眼で見えるもっとも遠くの天体でもあり、「天の川銀河からもっとも近い大規模銀河」でもある。さまざまな波長でとらえられた姿から、銀河の進化やその中での星形成について多くを知ることができる。

注:「天の川銀河とM31の比較」 最近の研究では、ダークマター(直接観測できない謎の物質)も含めると天の川銀河の方が総重量は重い可能性があるという。