板垣さんが46個目の超新星を発見

【2009年5月1日 VSOLJニュース(212)】

山形県の板垣公一さんが、コップ座の銀河NGC 3905に超新星2009dsを発見された。板垣さんの超新星発見数は、これで通算46個となった。


VSOLJニュースより

(著者:山岡均さん(九大理))

(超新星2009dsの発見画像)

超新星2009dsの発見画像。クリックで拡大(提供:板垣公一氏)

超新星のような爆発現象は、時々刻々と変化していきますから、爆発直後の情報は、あとになっては知ることができません。また、発見後には超新星からの光を波長別に分けて調べる「分光」観測によってタイプ判別を行ってはじめて、その超新星の素性がわかり、さらなる追跡観測の方針を立てることができるようになります。変動天体の追跡観測は、まさに「一刻を争う」のです。

山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんは、コップ座の銀河NGC 3905を、4月28.56日(世界時、以下同様)に撮影した画像で、16.8等の新天体を発見しました。天体の位置は以下のとおりで、NGC 3905の中心核から西に12秒角、北に3秒角のところにあたります。

  赤経  11時49分04.11秒
  赤緯 -09度43分44.9 秒(2000年分点)
  NGC 3905の周辺星図と、DSS画像に表示した超新星2009ds

発見報を受け、群馬県立ぐんま天文台では、この超新星の分光観測に挑戦しました。29日夜には天候に恵まれず、タイプがはっきりするまでには至りませんでしたが、翌30日夜の観測で、この超新星がIa型超新星であること、爆発して最も明るくなる極大の1週間ほど前であることが判明しました。この結果は、世界に先駆け、すぐさま発表されています。

発見に即時観測にと、日本の天文界の活躍はたいへんめざましいと言えるでしょう。


超新星2009dsの位置

この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。

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<参照>

  • CBET 1784: SUPERNOVA 2009ds IN NGC 3905(2009 Apr. 29)
  • CBET 1788: SUPERNOVA 2009ds IN NGC 3905(2009 Apr. 30)
  • VSOLJニュース(212): 日本で発見された超新星を日本の公開天文台で分光
  • 国立天文台 アストロ・トピックス(467): 板垣さん、NGC 3905 銀河に超新星を発見

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