オポチュニティー、ロボットアームのモーターが不調

【2008年4月28日 NASA JPL

NASAの無人火星探査車「オポチュニティー」では、2年ほど前からロボットアームを駆動させるモーターに不調が出ていたが、最近その不調が頻発するようになっている。そのため、5個あるモーターのうち1個が使えなくなった場合の対処が必要となっている。果たして探査への影響はないのだろうか。


(無人火星探査車の想像図)

無人火星探査車の想像図。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech/Cornell University)

無人火星探査車「オポチュニティー」と「スピリット」が火星に着陸したのは、2004年1月。両探査車は、すでに4年以上にわたって活動を続けており、その影響が現れてきているようだ。

オポチュニティーのロボットアームのモーターは、2005年11月に初めて、電力不足による急停止を起こした。同じような症状はその後も見られ、最近では頻発していた。

運用チームでは、この問題に対し電圧を上げて対処してきたのだが、4月14日、5個あるモーターのうちの1つが、いつもより活動していないのに止まってしまった。

目下のところ、一連の不調の原因は、物理的な機械の故障というよりは、電子回路の不調と考えられている。

NASAのジェット推進研究所(JPL)で、オポチュニティーとスピリットのプロジェクトマネージャーをつとめるJohn Callas氏は、「最悪の場合でも、ロボットアームを使用して探査を行うことはできるでしょう。ビクトリア・クレーター内でじゅうぶん優先度の高い探査を行えますし、クレーターから出て、ふたたびメリディアーニ平原に戻ってくることもできます」と話している。

さらにCallas氏は、「現状、探査車は安全で安定した状態にあり、危険は何もありません。わたしたちは、時間をかけて慎重に行動するだけです」と話している。