初春のしぶんぎ座流星群を眺めよう

【2005年12月16日 国立天文台 アストロ・トピックス(170)

毎年1月4日頃に、「しぶんぎ(四分儀)座流星群(別名:りゅう座ι(イオタ)流星群」が活発に活動します。来年のしぶんぎ座流星群の観察は8年ぶりの絶好の条件となりますので、多くの流星が眺められると期待されています。

流星群は、彗星から放出された小さな麈(ちり)粒の集団が、地球に飛び込んで起こる現象です。この塵粒の集団は、彗星の軌道上に密集していますが、この軌道と地球軌道が交差しているところで、流星群が発生します。地球が交差する日時は、ほぼ毎年決まっていますので、特定の時期に流星群が出現することになります。このとき、地球に飛び込む塵粒はある決まった方向からやってきます。それぞれの塵粒はほぼ平行なので、地上から見ると、それらの流星群に属する流星は、天空のある一点から放射状に飛び散るように見えます。この点を放射点と呼びます。しぶんぎ座流星群は、その放射点がりゅう座にありますが、その場所は、かつて「へきめんしぶんぎ(壁面四分儀)座」という古い星座がありました。そのころの名残で、今でも、「しぶんぎ座流星群」と呼ばれています。

しぶんぎ座流星群の放射点は、深夜に北東の地平線から上ってきます。ですから、流星が出現するのも、深夜過ぎの午前1時頃から明け方までになります。そのため、一般にはなかなか馴染みのない流星群ですが、今年は8年ぶりの絶好の条件です。

この流星群は、極大時刻の前後、数時間程度に集中して多数の流星が出現しる特徴があります。今回はその極大時刻が、1月4日午前2時〜3時なので、日本での観察に適した時刻にあたっています。さらに、この時間帯には月明かりの邪魔がありません。このような条件が揃うのは8年ぶり、1998年以来となります。ちなみに次回に同様の条件となるのは、2014年となります。小・中学校等の冬休み期間中に活動するため、観察適時が夜半後になるデメリットはありますが、かなり明るい流星も見られますので、いままで流星を眺めたことのない人でも、簡単にその姿を見つけられるでしょう。双眼鏡や望遠鏡といった特別な装置も不要です。

流星は放射点から流れ出るように見えますが、夜空のどこにでも現れますので、特に放射点を見ている必要はありません。好きな方角を眺めて、流星が流れるのを楽しみに待っていて下さい。しぶんぎ座流星群は、たくさんの流星が眺められる三大流星群(ふたご座流星群・ペルセウス座流星群・しぶんぎ座流星群)のひとつで、光害のない夜空で晴天に恵まれれば一時間に50個を越える流星が眺められるでしょう。

国立天文台では、できるだけ多くの人に流れ星を眺めてもらおうと、流星数が最も多くなると思われる3日の深夜から4日明け方にかけて『初春の流星群を眺めよう』というキャンペーンを行います。 観測適時に15分以上、夜空を観察してもらい、その間に何個の流れ星を見ることができたかを国立天文台のインターネット上のキャンペーンサイトに報告してもらおうというものです。日本全国のどのあたりでどのくらいの流星が見えたか、集計からわかる仕組みです。携帯電話からも参加可能ですから、これまで流星を眺めたことのない多くの人にも、ぜひ参加していただければと思います。

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