NASAの新しい科学観測用高層気球、テスト飛行でガス漏れ

【2001年2月27日】

NASAの新式の科学観測高層気球が2月24日、オーストラリアのアリススプリングスから離床しテスト飛行にのぞんだが、ガス漏れが発覚したため飛行を中止、アリススプリングスの西南西115海里 (約213キロメートル) の地点に着陸させた。飛行時間は4時間17分だった。着陸による搭載科学機器への損傷は無い。

この気球は、「超長期滞空気球 (Ultra-Long Duration Balloon; ULDB)」と呼ばれるもので、気嚢 (きのう=空気室) を完全に密封してガス漏れを無くすことによりひじょうに長い滞空時間を実現している。設計上は1600キログラムまでの観測機器を積載し、地球大気の影響を99%カットできる地上高度35キロメートルの超高空を、最大100日間にわたって飛行する能力がある。テスト飛行では、約2週間飛行して南極地方の上空を周回飛行することになっていた。

現在、飛行記録を分析するとともに、着陸した気球の回収作業が進められている。また今後の動きについては、アリススプリングスにある予備機を飛ばす可能性も含め検討中。

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