太陽系最古の物質が発見された

【2000年6月9日 BBC News (2000/6/7)

James Whitby博士をはじめとするマンチェスター大学およびロンドン自然史博物館の化学者らによると、1998年にモロッコに落下したZag隕石の年代測定を行なった結果、この隕石に含まれる塩の結晶は、太陽系誕生から200万年以内に形成された可能性が高く、太陽系最古の物質であるらしいことがわかったという。

この塩の結晶の存在は、地球に生命が誕生可能な環境が生まれたのは、これまでの予想より早いかもしれないということを示唆する。

Zag隕石は、塩の結晶を含む隕石としては2つ目のもので、1つ目はMonahans隕石。ただ、Monahans隕石については年代測定の精度が悪いため、2つの隕石のうちどちらがより古いのかは不明。

なお、Zag隕石やMonahans隕石に含まれる塩の結晶が発見される前は、太陽系最古の物質はコンドリュールであると考えられてきた。コンドリュールはガラス状の小球で、太陽系初期に形成されたと考えられる隕石の質量の大半を占める。