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Book Reviewこだわり天文書評

金井三男さんのWebオリジナルレビューと「星ナビ」月刊ほんナビを掲載しています(不定期更新)。▼天文・宇宙関連書の最新刊リストも掲載。

旬のトピック はやぶさブラックホール

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金井三男のこだわり天文書評 第百六十七回(4/20)

■本気で考える火星の住み方■知れば知るほど面白い暦の謎■宇宙を支配する「定数」

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星ナビ「月刊ほんナビ」(原智子さん他) 星ナビ2022年4月号(4/20)

■さばの缶づめ、宇宙へいく■宇宙飛行士 野口聡一の全仕事術■月と人の歴史と物語■星間空間の時代■三体問題■女性と天文学

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金井三男さん 金井 三男(かない みつお)

1974〜1989年に東京・渋谷にあった五島プラネタリウムで解説員として活躍の後、(株)東急コミュニティーにて後輩の指導・育成に携わる。現在は首都圏10か所のカルチャーセンターで毎月講演会を行っている。月刊「星ナビ」で、独自の視点から天文や宇宙を追究する「金井三男のこだわり天文夜話」を連載中。

新着レビュー

金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

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本気で考える火星の住み方

本気で考える火星の住み方

  • 齋藤潤 著、渡部潤一 監修
  • ワニブックス
  • 207ページ
  • 2022年2月

数年前、2035年に火星に向けて殖民に入るという計画が提起されたが、その後どうなったのだろう。それはさておき、現在日本のあちこちの書店で火星旅行の関係書が発売されている。本書もその一冊で、中で最も面白い、というか役立つ本である。

75歳になってしまった評者は、同じ2035年の9月2日10時10分に茨城県水戸市で見ることができる皆既日食を、なんとか這いつくばってでも見に行きたいと思っている。何しろ東京では(島嶼部を除き)江戸時代から見えておらず、21世紀中に他に見ることができないからだ。さすがに火星に行くことは資金的にも体力的にも不可能だが、若い読者の皆さんにはぜひ頑張っていただきたい。ともかく、そういう時代になったのだ。

本書は、天体としての火星の特徴から始まって、カナル(運河)などの論争と観測史、水の存在、火星開発の現状と問題点が明らかにされている。アポロ計画による月探査と較べて、行くことができる期間が格段に短く狭いことや、反対に飛行期間が格段に長いこと、さらに地球帰還のための燃料の問題、つまり行ったらそれっきりになりかねないことなど、問題が山積みであることは目に見えているが、それでも本書で語られていることは、戦争に明け暮れている地球なんか離れたいと考えておられる未来志向の方々にとっては、本気で考えるべきだろう。お勧めします。

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知れば知るほど面白い暦の謎

知れば知るほど面白い暦の謎

  • 片山真人 著
  • 三笠書房
  • 206ページ
  • 2022年2月

1年が365日と何故判ったか? October、November、Decemberはそもそも8月、9月、10月でしょう? 夏暑く、冬寒いのは?一週間が七日なワケ? 太陽が一番高くなるのが正午じゃない! 節分は年四回もある! などなど、本書には暦に関する面白い話、意外な話がメチャクチャ沢山語られています。つまり、評者も知らなかった話で溢れかえっているのだ。

本書60〜66ページに記された曜日の順番に関する暦学も、たいへん面白い。評者も中学時代から胸の中に懐いていた大きな疑問だった。読者の皆さん、土日月火水木金という並びの起源は何でしょう? おそらく惑星に関わるモノ、程度はおわかりになりますよね。だけど、並び方がおかしいじゃないですか。評者は散々考え抜いた結果、ほっぽり投げていた疑問だった。大学で天文学の先生に質問したかったが、恥ずかしくてしなかったモノ。75歳になって本書に出会い、それが氷解したのである。

これは古代から中世にかけて人々の関心の虜となった、天動説の太陽系観だったのだ! 地球から遠い順に、土星・木星・火星・太陽(日)・金星・水星・月、これを1時(土)から24時(火)まで繰り返し、火で終わったら、翌日は日から水まで、翌々日は月から木までと繰り返す。すると各日1時の欄が土日…金となり、これで完了! 評者は3月のカルチャーセンターでの講義で、飲み屋の雑談でたいへん役立ちますと紹介した。本書は実に愉しい。

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宇宙を支配する「定数」 万有引力定数から光速、プランク定数まで

宇宙を支配する「定数」 万有引力定数から光速、プランク定数まで

  • 臼田孝 著
  • 講談社
  • 264ページ
  • 2022年2月

著者は計量標準総合センターの所長を務めた人で、いわゆる計量学の専門家。天文学を含め、物理定数の何たるかが良く判った方である。なので、早速第二部で時空に関する定数、すなわち原子時・光速・万有引力定数(G)が述べられている。続く第三部では、極微のミクロの世界、電気素量(e)とプランク定数(h)、量子電磁気学についてが説明され、ボルツマン定数(k)が語られ、エントロピーの実体が説明されている。観測天文学を学んでいる評者にとっては、一番苦手とするところ…だが、何のその、本書はとても判りやすく、閏秒の説明やその必要性の説明なども有り難い限りだった。

閏秒以外でもカルチャーセンターで講座を担当している評者にはとても役立つ知識ばかり。一例が光速度。中学生時代、それが秒速約30万kmだと知ったが、正確には秒速299792458mと有効数字がここまであると、一体どうやって知れたのだろうか。かつまた、これだけで正解というわけではないことは、本書112ページに詳しく説明されている。現時点での定義値なのだ。同様のことが万有引力定数についても言える。本書128ページにあるように、それが定数でない可能性があることが、現時点でわかっている。定数が定数でないって、一体どういうこと? どうか皆さん第10章以下を慎重にお読みください。いずれにしても「定数」は面白い!

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新刊情報

4月20日掲載

14歳からのニュートン 超絵解本 超ひも理論

  • ニュートン編集部 著・編
  • ニュートンプレス

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宇宙の研究開発利用の歴史 日本はいかに取り組んできたか

  • 渡邉浩崇 著・編、榎孝浩 著、橋本靖明 著、佐藤雅彦 著、斎藤紀男 著、稲谷芳文 著、冨田信之 著、武藤正紀著、小笠原宏 著、志佐陽 著、久保田伸幸 著、小山浩 著、安達昌紀 著
  • 大阪大学出版会

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なぜ宇宙は存在するのか はじめての現代宇宙論

  • 野村泰紀 著
  • 講談社

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物理学の野望 「万物の理論」を探し求めて

  • 冨島佑允 著
  • 光文社

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世界はこうしてできている 美しい物理のしくみ

  • 川村康文 監修
  • 西東社

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看護学生、宇宙を学ぶ

  • 小河一敏 著
  • アノック

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宇宙の秘密を解き明かす24のスゴい数式

  • 高水裕一 著
  • 幻冬舎

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ファーストスター 宇宙最初の星の光

  • エマ・チャップマン 著、熊谷玲美 著
  • 河出書房新社

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新版 まんがで読む星のギリシア神話

  • 藤井龍二 著
  • KADOKAWA

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ブラックホール 暗黒の天体をのぞいてみたら

  • 大須賀健 著
  • KADOKAWA

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学習まんが ドラえもん ふしぎのサイエンス 星のサイエンス

  • 藤子・F・不二雄 原著、栗原みさき イラスト
  • 小学館

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ナショジオキッズ 大きな写真で楽しむ はじめてのわくわく図鑑 宇宙編

  • キャサリン・D・ヒューズ 著、新宅広二 監修、デイビッド・A・アギュラー イラスト
  • エムディエヌコーポレーション

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3月22日掲載

江戸の宇宙論

  • 池内了 著
  • 集英社

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14歳からのニュートン 超絵解本 宇宙のはじまり

  • ニュートン編集部 著・編
  • ニュートンプレス

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はやぶさと日本人 私たちが手にしたもの

  • 永山悦子 著
  • 毎日新聞出版

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宇宙元年! 新ビジネス起動中

  • 日経クロステック 編
  • 日経BP

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すべての人の天文学

  • 岡村定矩 著・監修、芝井広 著・監修、縣秀彦 著・編、大山真満 著、大朝由美子 著、工藤哲洋 著、佐藤文衛 著、谷口義明 著、真貝寿明 著、鴈野重之 著、西浦慎悟 著
  • 日本評論社

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ピーブルス先生の量子力学

  • P.J.E. Peebles 著、二間瀬敏史 訳
  • 丸善出版

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宇宙開発 未来カレンダー 2022-2030's

  • 鈴木喜生 著
  • ジー・ビー

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図解 星と銀河と宇宙のすべて

  • 矢沢サイエンスオフィス 著・編
  • ワン・パブリッシング

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わかるよ!天体3 星 小学生の理科

  • NIKK映像

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空と宇宙の食事の歴史物語 気球、旅客機からスペースシャトルまで

  • リチャード・フォス 著、浜本隆三 訳、藤原崇 訳
  • 原書房

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2月21日掲載

ブラックホール 宇宙最大の謎はどこまで解明されたか

  • 二間瀬敏史 著
  • 中央公論新社

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偉人たちの挑戦1 数学・天文学・地学編

  • 東京電機大学 編
  • 東京電機大学出版局

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はやぶさ2のプロジェクトマネジャーはなぜ「無駄」を大切にしたのか?

  • 津田雄一 著
  • 朝日新聞出版

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宇宙を支配する「定数」 万有引力定数から光速、プランク定数まで

  • 臼田孝 著
  • 講談社

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知れば知るほど面白い暦の謎

  • 片山真人 著
  • 三笠書房

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ニュートン別冊 学びなおし 中学・高校の地学

  • ニュートンプレス

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ニュートン別冊 宇宙のすべて

  • ニュートンプレス

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本気で考える火星の住み方

  • 齋藤潤 著、渡部潤一 監修
  • ワニブックス

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都会で撮る 星の軌跡の撮影術 はじめて撮る人から上級者まで比較明合成による撮影の完全ガイド

  • 紀平拓男 著
  • 技術評論社

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エネルギーから見た宇宙のしくみ

  • 平田好洋 著
  • 南方新社

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量子で読み解く生命・宇宙・時間

  • 吉田伸夫 著
  • 幻冬舎

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宇宙はどのような姿をしているのか

  • 平松正顕 著
  • ベレ出版

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