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Book Reviewこだわり天文書評

金井三男さんのWebオリジナルレビューと「星ナビ」月刊ほんナビを掲載しています(不定期更新)。▼天文・宇宙関連書の最新刊リストも掲載。

旬のトピック 重力波系外惑星土星

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金井三男のこだわり天文書評 第百十六回(1/22)

■ニッポン宇宙開発秘史■幻の惑星ヴァルカン■太陽系旅行ガイド

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星ナビ「月刊ほんナビ」(原智子さん他) 星ナビ2018年1月号(1/22)

■人類の住む宇宙■天体の位置と運動■宇宙の観測I■超新星■図解 ヤバすぎるほど面白い 物理の話■宇宙を見た人たち■ブラックホールをのぞいてみたら■マルチバース宇宙論入門

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金井三男さん 金井 三男(かない みつお)

1974〜1989年に東京・渋谷にあった五島プラネタリウムで解説員として活躍の後、(株)東急コミュニティーにて後輩の指導・育成に携わる。現在は首都圏10か所のカルチャーセンターで毎月講演会を行っている。月刊「星ナビ」で、独自の視点から天文や宇宙を追究する「金井三男のこだわり天文夜話」を連載中。

新着レビュー

金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

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ニッポン宇宙開発秘史 元祖鳥人間から民間ロケットへ
 

ニッポン宇宙開発秘史 元祖鳥人間から民間ロケットへ

  • 的川泰宣 著
  • NHK出版
  • 17.4×11.2cm、224ページ
  • 2017年11月
  • ISBN 978-4140885338

評者は、購入から読了まで、家の中から電車の中までは雑記帳にセッセとメモしまくり、おかげでインクをドンドン消費し、寝床ではポストイットを貼りまくる。おかげでそれもドンドン消費しまくり、文具屋まで直行だ。今般もさっきそれで帰宅したばかり。

おかげで、またこだわり天文夜話の話題のタネが増えてしまった。だって、あのかぐや姫が牛車モドキで月に向かった時代に、早くも中国で火箭(要するに火矢のこと)が発明されていた、1785年に表具屋幸吉さんが鳥人間になった、月に降り立った第二号の宇宙飛行士コンラッドが「私にとっては大きな一歩である」と言ったワケは、背が低かったからだという小話など、メチャクチャその候補でしょう!

それはともかく、糸川英夫や小田稔両先生の話など、知り尽くしたいと思ったら、本書をご耽読ください。戦闘機設計・ロケット開発(ここまではよく判るが、この後は意味不明)チェロ演奏・バレエのレッスン…=マルチ才能の持ち主・130歳まで生きると宣言(84歳で永眠)=糸川英夫。鼻くそが成長するかの実験で、押し入れに入れた小箱の中にそれを毎朝貯め続け、発見者お母さんにこっぴどく怒られた小田少年。固体燃料を推進薬にしたために米国からあざ笑われたハレー彗星探査機「さきがけ」の正しく先駆け的成功、計画書を見てせせら笑った国際委員会など、裏話満載ですよ本書は。お勧めします。

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幻の惑星ヴァルカン アインシュタインはいかにして惑星を破壊したのか
 

幻の惑星ヴァルカン アインシュタインはいかにして惑星を破壊したのか

  • トマス・レヴェンソン 著、小林由香利 訳
  • 亜紀書房
  • 19×12.4cm、280ページ
  • 2017年11月
  • ISBN 978-4750515281

読者の皆さんは、ヴァルカンと呼ばれた惑星があったことご存じですか。いや、忽然と消滅したわけではなく、一時一部の観測者に存在すると信じ込まれた‘幻の’惑星である。評者はベテルギウスやアルマーズ(ぎょしゃ座ε)の測光を毎晩行っているが、同時にペルセウス座付近(天の川河岸)に新星が出現していないかどうかも調査し、記録し続けている。その際常時気をつけているのは、見落とし・見間違いである。

太陽黒点を観測していると、残像のような黒い点を発見する可能性は0ではない。見えてきたり、見誤ったりするのだ。あるはずと信じていると見てしまうし、無いはずと信じると見えなかったりするのは視覚の生理現象だ。理論家のアインシュタインが‘空間の歪み’でそれを説明したことが、本書を読めばそれがよく判る。19世紀初頭に続々と小惑星が発見され、同世紀半ば軌道計算から海王星の存在を突き止めたルヴェリエが、同じく水星の近日点移動から水星内に軌道を持つ未知天体の可能性を追求し、遂にレスカルボーというアマチュア観測家がヴァルカンを発見、次々と見出した人物達による報告、だが水星近日点移動がヴァルカンのせいではなく、空間の歪みによるものであることが、日食観測から判り、結局アインシュタインがヴァルカンを追放したという物語なのだ。

実にドラマチックで面白く、本書によって現代物理学の根幹を知ることができますよ。

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太陽系旅行ガイド
 

太陽系旅行ガイド

  • マーク・トンプソン 著、山田陽志郎 訳、永山淳子 訳
  • 地人書館
  • 19×13cm、283ページ
  • 2017年11月
  • ISBN 978-4805209158

本書は本当に素晴らしい。おかげで評者は電車の中と言わずバスの中と言わず、メモのしまくり。雑学ノートが1冊吹っ飛んでしまった。飛行計画と称して地球を出発、月に立ち寄り(まぁこの辺は序盤戦でメモは多くなかったが)。その後は大変なことになり、太陽から始まり水星・金星と内惑星を巡った辺りからメモが加速し始め、火星や木星・土星あたりはメチャクチャ。何がそうだったかというと、最新知識は当然のこと、訳者の一人山田さんの訳注が素晴らしかったからだ。

訳者あとがきを引用させていただくと、永山さんが飜訳原稿を作成し、山田さんが専門的な立場から加筆・訂正したとある。その結果、正確無比で美しい飜訳と、時には著者に注文を付けるほどの面白い訳注が出来上がった次第。評者は、その豊富な訳注に感心し、多数をメモさせてもらった。オモシロイですよ。

おそらく現在店頭で販売中の太陽系(特に木星以遠)の本で、右に出るものはない。「旅行ガイド」という標題はもったいなく、最新太陽系学と呼んだ方がよい。日本人で初めて太陽系ツアーに行く人は(多分生還は不可能だろうが…)絶対に本書を持参すべきで、想像世界でのSFではなく、理路整然とした科学書である。著者もれっきとした天文学者で英国天文学会のフェロー、ノーフォーク天文協会代表という人、SF作家ではない。

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新刊情報

1月22日掲載

星ごよみ365日 季節を感じる 美しい星空のめぐり方、愉しみ方

  • 星空さんぽ編集部 編
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416617328

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太陽のきほん 太陽は何色?どうやって生まれたの?その活動から読み解く太陽のふしぎ

  • 上出洋介 著
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416617618

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時空のさざなみ 重力波天文学の夜明け

  • Schilling Govert 著、斉藤隆央 訳
  • 化学同人
  • ISBN 978-4759819595

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夜ふかしするほど面白い 月の話

  • 寺薗淳也 著
  • PHP研究所
  • ISBN 978-4569767758

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世界を変えた暦の歴史

  • 谷岡一郎 著
  • PHP研究所
  • ISBN 978-4569767826

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地球外生命体 実はここまできている探査技術

  • 井田茂 著
  • マイナビ出版
  • ISBN 978-4839965174

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NHKカルチャーラジオ 科学と人間 太陽フレアと宇宙災害

  • 片岡龍峰
  • NHK出版
  • ISBN 978-4149109749

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12月21日掲載

星空ガイド2018

  • 藤井旭 企画構成
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416717264

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惑星ガイド 木星の向こうへ

  • 伊賀祐一 著
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416917695

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銀河のすべて ここまでわかった!銀河の構造と進化

  • ニュートンプレス
  • ISBN 978-4315520873

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ハワイ島 宙の音 星空ガイド物語

  • サニー武石 著、藤田恒三 著
  • 講談社
  • ISBN 978-4062208949

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藤井 旭の天文年鑑 スターウォッチング完全ガイド 2018年版

  • 藤井旭 著
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416717097

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天文の世界史

  • 廣瀬匠 著
  • 集英社インターナショナル
  • ISBN 978-4797680171

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ニュートリノってナンダ? やさしく知る素粒子・ニュートリノ・重力波

  • 荒舩良孝 著
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416717516

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地球と生命の大進化! 地球46億年のひみつ

  • 講談社 編、森下知晃 監修、土屋健 監修、高橋拓真 著
  • 講談社
  • ISBN 978-4062999601

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大追跡! 宇宙と生命の謎 地球外生命はいるのか!?

  • 講談社 編、田村元秀 監修、白井三二朗 著
  • 講談社
  • ISBN 978-4062999595

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星がとびだす星座写真

  • 伊中明 著
  • 技術評論社
  • ISBN 978-4774193762

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ハッブル宇宙望遠鏡で見る 驚異の宇宙

  • 伊中明 著
  • 技術評論社
  • ISBN 978-4774193755

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ハッブル宇宙望遠鏡でたどる 果てしない宇宙の旅

  • 伊中明 著
  • 技術評論社
  • ISBN 978-4774193748

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ASTROGUIDE 星空年鑑 2018

  • 藤井旭 編著、アストロアーツ 編、沼澤茂美 イラスト
  • KADOKAWA
  • ISBN 978-4048997027

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宇宙飛行の父 ツィオルコフスキー 人類が宇宙へ行くまで

  • 的川泰宣 著
  • 勉誠出版
  • ISBN 978-4585221968

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星・星座

  • 藤井旭
  • 学研プラス
  • ISBN 978-4052047022

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太陽系旅行ガイド

  • マーク・トンプソン 著、山田陽志郎 訳、永山淳子 訳
  • 地人書館
  • ISBN 978-4805209158

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この宇宙の片隅に 宇宙の始まりから生命の意味を考える50章

  • ショーン・キャロル 著、松浦俊輔 訳
  • 青土社
  • ISBN 978-4791770205

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宇宙生命科学入門 生命の大冒険

  • 石岡憲昭 著
  • 共立出版
  • ISBN 978-4320047327

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天文年鑑 2018年版

  • 天文年鑑編集委員会 編
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416717400

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138億年宇宙の旅

  • クリストフ・ガルファール 著、塩原通緒 訳
  • 早川書房
  • ISBN 978-4152097231

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宮沢賢治の地学教室

  • 柴山元彦 著
  • 創元社
  • ISBN 978-4422440101

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宇宙建築I 宇宙観光、木星の月

  • 十亀昭人 編著、TNL 著、土谷純一 企画構成
  • 東海大学出版部
  • ISBN 978-4486021643

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11月20日掲載

地球外生命探査

  • 日経サイエンス編集部 編
  • 日本経済新聞出版社
  • ISBN 978-4532512231

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宇宙の観測 I 光・赤外天文学

  • 家正則、岩室史英、舞原俊憲 編
  • 日本評論社
  • ISBN 978-4535607651

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宇宙用語図鑑

  • 二間瀬敏史 著、中村俊宏 編、徳丸ゆう イラスト
  • マガジンハウス
  • ISBN 978-4838729739

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幻の惑星ヴァルカン アインシュタインはいかにして惑星を破壊したのか

  • トマス・レヴェンソン 著、小林由香利 訳
  • 亜紀書房
  • ISBN 978-4750515281

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ニッポン宇宙開発秘史 元祖鳥人間から民間ロケットへ

  • 的川泰宣 著
  • NHK出版
  • ISBN 978-4140885338

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重力で宇宙を見る 重力波と重力レンズが明かす、宇宙はじまりの謎

  • 二間瀬敏史 著
  • 河出書房新社
  • ISBN 978-4309253749

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