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Book Reviewこだわり天文書評

金井三男さんのWebオリジナルレビューと「星ナビ」月刊ほんナビを掲載しています(不定期更新)。▼天文・宇宙関連書の最新刊リストも掲載。

旬のトピック 重力波系外惑星土星

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金井三男のこだわり天文書評 第百十三回(10/20)

■ブラックホールで死んでみる■天文学者の夫がアレすぎてしんどい■マルチバース宇宙論入門■惑星のきほん■重力波で見える宇宙のはじまり

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星ナビ「月刊ほんナビ」(原智子さん他) 星ナビ2017年10月号(10/20)

■スーパー望遠鏡「アルマ」の創造者たち■スーパー望遠鏡「アルマ」が見た宇宙■銀河宇宙観測の最前線■超巨大ブラックホールに迫る

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金井三男さん 金井 三男(かない みつお)

1974〜1989年に東京・渋谷にあった五島プラネタリウムで解説員として活躍の後、(株)東急コミュニティーにて後輩の指導・育成に携わる。現在は首都圏10か所のカルチャーセンターで毎月講演会を行っている。月刊「星ナビ」で、独自の視点から天文や宇宙を追究する「金井三男のこだわり天文夜話」を連載中。

新着レビュー

金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

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ブラックホールで死んでみる タイソン博士の説き語り宇宙論(上)
 
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ブラックホールで死んでみる タイソン博士の説き語り宇宙論(下)
 

ブラックホールで死んでみる タイソン博士の説き語り宇宙論

  • ニール・ドグラース・タイソン 著、吉田三知世 訳
  • 早川書房
  • 15.8×10.6cm、285ページ(上)/326ページ(下)
  • 2017年1月
  • ISBN 978-4150504847(上)/978-4150504854(下)

本書は2008年10月に同じ出版社から刊行された単行本を文庫化したもの。評者も単行本を読んだ。前書発売当時、ベストセラーになったせいか、今回再発売となった。

上巻で先ず天文学全般というか宇宙全般というべき基礎知識のまとめがあり、著者流の膨大な知識が披露されている。下巻では宇宙の生命論、宇宙の様々な危機(この章でブラックホールで死んでみる、が語られる)、宇宙の新発見と人々の反応のズレ、科学と神の対立が主題とされた。内容が豊富すぎて、アレヨアレヨですよ。

一言で申し上げて、こんな内容の本はこれまでになかったし、マルチバースやら様々な宇宙論が華やかになるだろうこれからも、そうザラには出現しないだろう。ここなんですよ、日本の天文学者と欧米の科学者との違いは…。つまり視野の広さと知識の豊富さが段違いなのだ。面白いですよ! ついでに評者も一言。下巻151ページに記されているが、ある年以上の人なら1997年にヒットした「タイタニック」という映画をご覧になっただろう。豪華客船遭難後、救助船に助け上げられた人々が見上げる夜空のシーン、評者は突如違和感に襲われたのだ。4月中半未明の空なのに、星の並びがメチャクチャだった。流星群もデタラメ。それをタイソンさんも指摘している。この一件で、さすが一流の著者だと感じた次第。本書を熟読され、現代天文学を多方面から学ばれることを、ぜひお勧めしたい。

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天文学者の夫がアレすぎてしんどい
 

天文学者の夫がアレすぎてしんどい

  • ばったん 著
  • 講談社
  • 20.8×14.8cm、128ページ
  • 2017年7月
  • ISBN 978-4065100141

本書はこの半世紀(半生記ではなく)の間買うことがなかった漫画本。いつもの通り、神保町のSH書店4階天文書コーナーで発見した。手にとってひっくり返した途端、エッと思った。お尻露出でチャリにまたがる主人公(若手バリバリの天文学者)の絵が…。

その途端、評者は本書をぜひ天文学者及び天文愛好家にお勧めしたいと心に決めたのである。なぜ? といえば、もちろんいろいろな感じ方や考え方があるだろうが、その一つに一般の人が、上記の方々に対し、こういう見方をしているのだということを感じ取っていただきたいからだ。特に、近年大流行の膨張宇宙論・ダークエネルギー・マルチバースなど最新の理論天文学を研究している若手の天文学者達に、本書を読んでというか見て味わっていただきたい。あなた! 本書記載の巨大恒星Westerlund1-26のサイズを知っていますか? 巨大惑星木星の主成分は? 地球の直径は? 全部、主人公の天文学者は答えられなかった。おまけにズッキーニを買ってくるよう頼まれたけれど、買ってきたのは胡瓜だった。

面白いですよ、でも考えさせられますよ。主人公はなぜか結婚できてしまうのだが、オチがこれまた面白い。まぁ、これ以上は読んでからのお楽しみにということにしておこう。ともかく、一般の方々は我々をこう見ていると思って間違いなし!

最終頁に次号の発行予定が記されており、来年春頃だそうだ。皆さんお楽しみに!

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マルチバース宇宙論入門 私たちはなぜ〈この宇宙〉にいるのか
 

マルチバース宇宙論入門 私たちはなぜ〈この宇宙〉にいるのか

  • 野村泰紀 著
  • 講談社
  • 17×10.6cm、190ページ
  • 2017年7月
  • ISBN 978-4061386167

最近何冊も出版されているマルチバース関連の入門書というより専門書解説書として、本書は最も判りやすい本とお勧めしたい。そもそもユニバースとは何で、だれがユニと決めたものなのだろう。だが、なぜユニなのだろうか。それは少なくとも138億光年の彼方までユニ、すなわちそれ以外見えないからだろう。つまりニュートン力学か相対性理論か、どちらにしても普通の物理理論が通用する世界がいわゆる宇宙だからだろう。霊の世界がマルチバースの一つかどうかは別にして、そもそも物理理論とは何なのだろうか。そしてそれは唯一なのだろうか。

評者は学生時代、もう基礎物理学は全て判ってしまい、研究する材料はないよと言われていた。これからは応用の時代で、だから天体物理学の時代だよと先生から言われた。そんなものかなぁ? と思いつつも、天体物理学を勉強して、判らないばかりだということが判った。嬉しかったことを憶えている。だが、今ではユニバースに限界があることを学び、本書においてマルチバースもまんざらじゃないことを知ったのである。もちろん、マルチバースの世界の研究はまだ始まったばかりで、判らないことだらけ。新書版の本では説明しきれないことが数え切れないほどあることも、バッチリ理解できた。そして、やっぱりユニバースなのかもしれないことも。ともかく、本書を一度手にとってください!

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ゆかいなイラストですっきりわかる 惑星のきほん
 

ゆかいなイラストですっきりわかる 惑星のきほん

  • 室井恭子、水谷有宏 著
  • 誠文堂新光社
  • 20.8×14.8cm、159ページ
  • 2017年8月
  • ISBN 978-4416617526

著者お二人とも元プラネタリウム解説員なので、よくツボを押さえた解説に徹している。また、最近よく思うのだが、以前は字ばっかりか、天体写真(もちろん綺麗な)ばっかりだったこの種の本が、適切でユニークなイラストが多くなった。本書もさすが天文書を多数出している出版社なので、編集が適切である。

評者が最も感心したのが、62節の系外惑星の解説中で、その発見法を表現したイラストである。専門用語は一切使用せずにイラスト的に理解することができますよ。ベテラン解説員の面目躍如である。

その他、大人はもちろん子供にもなじみが深い太陽系の惑星について、子供が最初に疑問に思いそうな事柄を、いろいろな話題から説明しているところは、とても上手な手法である。宵空で明るい惑星を観望した後、食後の団欒でご両親が子供達に授業するにはまさしくもってこいの本である。もしかすると、ご両親がまず勉強になるかもしれない。

ただし申し上げるまでもなく、天文学には太陽系だけではなく、恒星世界、銀河系、遠方銀河、そして宇宙論と数限りなく疑問の世界があるので、本シリーズで今後どのような本が企画出版されるのか、大きな期待をもって注目していきたい。評者もまだまだ天文普及法を勉強していきたいからだ。

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重力波で見える宇宙のはじまり 「時空のゆがみ」から宇宙進化を探る
 

重力波で見える宇宙のはじまり 「時空のゆがみ」から宇宙進化を探る

  • ピエール・ビネトリュイ 著、安東正樹 監修、岡田好惠 訳
  • 講談社
  • 17.4×11.4cm、368ページ
  • 2017年8月
  • ISBN 978-4065020272

2015年9月14日9時50分45秒(世界時)、人類が初めてとらえた重力波GW150914が、米国ルイジアナ州リビングストンのLIGO検出器(重力波検出器の一つ)を通過、7秒後の9時50分52秒にワシントン州ハンフォードのLIGO検出器を通過した。一方1969年7月20日20時17分42秒(一説では40秒または43秒グリニッジ標準時)に、アポロ11号が人類初めて月面に着陸した。評者は、歴史にはその時代を表現する記念的瞬間という時間があると思っている。もちろんある国がICBMを打ち上げるのは、全くそれに当たらない。××の沙汰だとすら思っている。2015年の方は21世紀(多分これからもっと凄いことも起こるかもしれないが…)、1969年の方は20世紀の最大の歴史的瞬間だと考えている。故に、評者が全く個人的に編纂している「こんなこともありました天文・気象カレンダー」に遠慮なく書き加えさせてもらった。

実は、重力波観測の歴史では、発見はこれが最初ではなく、アポロと同じ1969年のそれも打ち上げ先月の6月14日に米国メリーランド大学のJ.ウェーバーが共振型重力波検出器で発見したと発表していて、その発見はウェーバー・ウィークと称された。

本書は、重力波から見ることができるインフレーション、ダークエネルギー、ブラックホール、マルチバースなどを理解しやすく解説したもの。一言で申し上げて凄い本ですよ。

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新刊情報

10月20日更新

完訳 天球回転論

  • ニコラウス・コペルニクス 著、高橋憲一 訳・解説
  • みすず書房
  • ISBN 978-4622086314

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宇宙を見た人たち 現代天文学入門

  • 二間瀬敏史 著
  • 海鳴社
  • ISBN 978-4875253358

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宇宙誕生 時間をさかのぼり、究極の謎にせまる

  • ニュートンプレス
  • ISBN 978-4315520774

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月のこよみ 2018 365日の月の満ち欠けがわかる

  • 相馬充 監修
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416717073

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月のきほん ウサギの模様はなぜ見える?満ち欠けの仕組みは?素朴な疑問からわかる月の話

  • 白尾元理 著
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416617595

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世界“宇宙誌”大図鑑

  • マイケル・ベンソン 著、野下祥子 訳
  • 東洋書林
  • ISBN 978-4887218246

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眠れなくなるほど宇宙がおもしろくなる本

  • 縣秀彦 監修
  • 宝島社
  • ISBN 978-4800275332

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重力波 発見! 新しい天文学の扉を開く黄金のカギ

  • 高橋真理子 著
  • 新潮社
  • ISBN 978-4106038167

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ネコ博士が語る 宇宙のふしぎ

  • ドミニク・ウォーリマン 著、ベン・ニューマン イラスト、日暮雅通 訳、山崎直子 監修
  • 徳間書店
  • ISBN 978-4198644680

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9月20日更新

惑星探査機の軌道計算入門 宇宙飛翔力学への誘い

  • 半揚稔雄 著
  • 日本評論社
  • ISBN 978-4535788459

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写真で見る 星と伝説 秋と冬の星

  • 野尻抱影 著、てづかあけみ イラスト、八板康麿 写真
  • 偕成社
  • ISBN 978-4035090502

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天体観測手帳2018

  • 早水勉 著
  • 技術評論社
  • ISBN 978-4774191539

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メシエ天体&NGC天体 ビジュアルガイド

  • 中西昭雄 著
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416717295

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プラネタリウム名解説者が教えてくれる 新版 よくわかる星空案内

  • 木村直人 著
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416717424

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宇宙ビジネス入門 NewSpace革命の全貌

  • 石田真康 著
  • 日経BP社
  • ISBN 978-4822255046

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眠れなくなる宇宙といのちのはなし

  • 佐藤勝彦、長崎訓子 著
  • 講談社
  • ISBN 978-4061333314

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重力波で見える宇宙のはじまり 「時空のゆがみ」から宇宙進化を探る

  • ピエール・ビネトリュイ 著、安東正樹 監修、岡田好惠 訳
  • 講談社
  • ISBN 978-4065020272

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わかるよ!天体1 太陽

  • NIKK映像
  • ISBN 978-4931258532

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8月18日更新

星座がわかる星空の地図 野外星図

  • 渡辺和郎 著、金田宏 著、月刊天文ガイド 編
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416717189

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惑星のきほん 宇宙人は見つかる?太陽系の星たちから探る宇宙のふしぎ

  • 室井恭子 著、水谷有宏 著
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416617526

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宇宙の真実

  • 荒舩良孝 著
  • 宝島社
  • ISBN 978-4800272485

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宇宙 最新情報完全解説

  • 岡本典明 著、渡部潤一 著
  • 笠倉出版社
  • ISBN 978-4773058789

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月学 伝説から科学へ

  • 稲葉茂勝 著、縣秀彦 監修、こどもくらぶ 編、ウノ・カマキリ イラスト
  • 今人舎
  • ISBN 978-4905530688

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月を知る!

  • 三品隆司 著、吉川真 監修
  • 岩崎書店
  • ISBN 978-4265084425

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ブラックホールをのぞいてみたら

  • 大須賀健 著
  • KADOKAWA
  • ISBN 978-4041061848

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スーパー望遠鏡「アルマ」の創造者たち

  • 山根一眞 著
  • 日経BPコンサルティング
  • ISBN 978-4864430425

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マルチバース宇宙論入門 私たちはなぜ〈この宇宙〉にいるのか

  • 野村泰紀 著
  • 講談社
  • ISBN 978-4061386167

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春夏秋冬 星と星座のおべんきょう

  • 金園社企画編集部 編
  • 金園社
  • ISBN 978-4321417914

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宇宙の始まり、そして終わり

  • 小松英一郎 著、川端裕人 著
  • 日本経済新聞出版社
  • ISBN 978-4532913571

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宇宙のふしぎ最前線! 謎だらけの宇宙にいどむ

  • 大須賀健 著、日能研 編
  • 講談社
  • ISBN 978-4062206723

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星座の探し方と神話がわかる 星座の図鑑

  • 沼澤茂美 著、脇屋奈々代 著
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416617779

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「惑星」の話 「惑星形成論」への招待

  • 佐々木貴教 著
  • 工学社
  • ISBN 978-4777520190

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地球は本当に丸いのか? 身近に見つかる9つの証拠

  • 武田康男 著
  • 草思社
  • ISBN 978-4794222879

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