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Book Reviewこだわり天文書評

金井三男さんのWebオリジナルレビューと「星ナビ」月刊ほんナビを掲載しています(不定期更新)。▼天文・宇宙関連書の最新刊リストも掲載。

旬のトピック 土星系外惑星

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金井三男のこだわり天文書評 第百八回(05/23)

■たけしの面白科学者図鑑 地球も宇宙も謎だらけ!■太陽の謎のリング その正体は?■地球はなぜ「水の惑星」なのか 水の「起源・分布・循環」から読み解く地球史■宇宙に「終わり」はあるのか 最新宇宙論が描く、誕生から「10の100乗年」後まで■巨大ブラックホールの謎 宇宙最大の「時空の穴」に迫る

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星ナビ「月刊ほんナビ」(原智子さん他) 星ナビ2017年5月号(05/23)

■科学のあらゆる疑問に答えます■科学者18人にお尋ねします。 宇宙には、だれかいますか?■目に見える世界は幻想か? 物理学の思考法■宇宙はなぜ「暗い」のか? オルバースのパラドックスと宇宙の姿■宇宙に「終わり」はあるのか 最新宇宙論が描く、誕生から「10の100乗年」後まで

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金井三男さん 金井 三男(かない みつお)

1974〜1989年に東京・渋谷にあった五島プラネタリウムで解説員として活躍の後、(株)東急コミュニティーにて後輩の指導・育成に携わる。現在は首都圏10か所のカルチャーセンターで毎月講演会を行っている。月刊「星ナビ」で、独自の視点から天文や宇宙を追究する「金井三男のこだわり天文夜話」を連載中。

新着レビュー

金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

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たけしの面白科学者図鑑 地球も宇宙も謎だらけ!
 

たけしの面白科学者図鑑 地球も宇宙も謎だらけ!

  • ビートたけし 著、村山斉 著、荻巣樹徳 著、鎌田浩毅 著、石川洋二 著、高井研 著、星野保 著、長沼毅 著、山岸明彦 著、佐藤克文 著、田近英一 著
  • 新潮社
  • 15×10.6cm、261ページ
  • 2017年3月
  • ISBN 978-4101225364

著者は誰もが知るあの有名人。意外なのは、この方がディスカバリーチャンネル科学番組の愛好者だということ。評者は本書で初めてそれを知り、見直してしまった。何しろその科学知識の深さは驚嘆すべきだ。生物学〜地球科学〜宇宙エレベーター〜宇宙科学各分野のエキスパートと渡り合って、評者はインタビューワーとして見劣りがしないどころか、恐れ入った次第。テレビでの姿との余りの格差に、読者諸氏も愕然とするに違いない。

宇宙物理学で著名な、著書も多数有るあの村山斉先生は小さい頃天文少年だったが、お父さんから「ウチは金がないから、望遠鏡は買ってやれない」と宣言されたことは、評者も同様だったので、仕方ないから自分で手作りした経験を持つことを、否が応でも身につまされてしまった。その後は研究者と解説員という形で、大きく異なってしまったが…。研究者ごとの10のファイルの各章とも、どれもが激しく勉強になるが、特に評者はファイル4石川洋二先生の「宇宙エレベーター」はもはや夢じゃないに大感動した。今や時代はここまで来たのだというのが、その実感。

これまでにも宇宙エレベーターに関する紹介書は何冊も出版されており、本書評でもご紹介させて貰ったが、1991年に発見されたカーボンナノチューブの能力を具体的に知り、2050年には建設が完了し、運用が開始されるめどが付いていることを確信した。

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太陽の謎のリング その正体は?
 

太陽の謎のリング その正体は?

  • 宝島社
  • 29.9×20.8cm(DVD BOOK)
  • 2017年2月
  • ISBN 978-4800267948

2016年6月の本放送(NHKコズミックフロント☆NEXT)を評者は見逃してしまった。早く寝て夜中に起きるという天体観測家らしい生活をしているので、夜ナイター以外はテレビを見ないので、見なかったのだ。ヒマな昼間にやってもらえませんか。放送大学はよく見ているのだから。

このDVDは本当に有り難いもの。だって、太陽の環ですよ! これまでに出版されたどの本にも書かれていなかった。彗星や小惑星が飛び込むことが知られ、ある程度は想像が付いていたのだが、1966年に赤外線で発見され、1973年にも同じ位置で再確認されたものの、1983年にはかなり弱まって、1991年の皆既日食時には跡形もなくなったという、まるで幽霊のような存在。それが太陽の環の姿である。

その再検出を目指して、日本の観測隊が2016年3月の皆既日食で挑んだ結果報告と、太陽型恒星に見つかりつつある恒星環の実体を暴こうとする研究者の活動報告が、NHK放送とこのDVDの制作目的である。NHKさん、やってくれましたね! 受信料を払っていて良かった。

でもこのBOOKは、本屋さんでもごく普通に入手できるので、受信料未払い者でも見られますよ。不思議なのは、この天文学の歴史に残ると言っても良いDVDの広告を、テレビで見たことがない。ぜひ皆さん、お読みください、じゃなかった、ご覧ください。

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地球はなぜ「水の惑星」なのか 水の「起源・分布・循環」から読み解く地球史
 

地球はなぜ「水の惑星」なのか 水の「起源・分布・循環」から読み解く地球史

  • 唐戸俊一郎 著
  • 講談社
  • 17.6×11.4cm、272ページ
  • 2017年3月
  • ISBN 978-4065020081

著者は東大大学院で地球物理学の博士号を取られた後、米国に移住し、現在エール大学の教授となられた方。本書は、水を主題に地球について物理学的に語った本である。評者も大学で多少地球物理学を学んだが、当時それは殆ど地震学で、地球内部構造が主であった。それも肝心の地震計は、月にも他の惑星にも設置されていなかったので、要するに地球しか研究対象がなかった。授業を受けながら、果たしてこれは一般論なのだろうかと首をかしげたものである。

だが今は全く事情が異なる。そう、3000も4000も見つかった系外惑星のせいだ。表面反射率の時間変化やスペクトル分析などから、幾つかの系外惑星に水が存在することが議論されるまでに至った。読者の皆さんは、水が地球に存在することが当たり前のように考えてはおられないだろうか? でも、決して当たり前ではないのですよ。なぜなら地球の水の全質量は、地球の全質量のたった0.056%しかないのだから。しかもその大部分が、目に見える水の海洋や河川ではなく、マントルなど地球内部にあるという。そして、地球の水という存在を考えるだけでも、実に謎だらけだということを本書で知ることができますよ。生物と水という観点からも、今や宇宙生物学という新分野のめざましい発展が期待され、本書はその手がかり足がかりを与えてくれる必読の本なのだ。お勧めします。

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宇宙に「終わり」はあるのか 最新宇宙論が描く、誕生から「10の100乗年」後まで
 

宇宙に「終わり」はあるのか 最新宇宙論が描く、誕生から「10の100乗年」後まで

  • 吉田伸夫 著
  • 講談社
  • 17.2×11.2cm、288ページ
  • 2017年2月
  • ISBN 978-4065020067

最初、本書表紙折り返しに記された著者略歴を読み、続いて本文を読み始めた途端、評者は「嘘でしょ!」と叫んだ。東大大学院で博士号を取った量子色力学という素粒子論を専攻された方だが、本書は紛れもない宇宙論の本だったからだ。もちろん、タイトルから判ってはいたが…。しかも、単にビッグバン、インフレーション、加速膨張、ダークエネルギーなどを解説してくれる本ではなく、始まりの瞬間・宇宙暦10分・100万年・10億年・138億年・数百億年・1兆年・100兆年・1垓(10の20乗)年・1正(10の40乗)年・10の100乗年という、各エポックまでの宇宙の状況を、懇切丁寧に語ってくれる凄い本なのだ。読者の皆さんは、そのときの宇宙の有り様にビックリなさるに違いない。

評者はつい最近、宇宙が1000億年後ビッグリップかビッグクランチで終わると学んだばかりだが、そんなの小さい小さい。著者によれば、何と10の100乗(1の後ろに0が100個並ぶ数)年後にビッグウィンパー(すすり泣き)で終わることになるそうという。これぞまさしく天文学的数字! また、今からたった12億年後、太陽の膨張によって太陽系のハビタブルゾーンが移動し、地球は灼熱地獄化するとか、その30億年後に起こるアンドロメダ座大銀河と銀河系(天の川銀河)との衝突合体で太陽系の運命や如何に。1垓年後には銀河がブラックホールに飲み込まれるウンヌン。いやはやユメがありますね。オモシロイ!

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巨大ブラックホールの謎 宇宙最大の「時空の穴」に迫る
 

巨大ブラックホールの謎 宇宙最大の「時空の穴」に迫る

  • 本間希樹 著
  • 講談社
  • 17.5×11.4cm、272ページ
  • 2017年4月
  • ISBN 978-4065020111

今回書評の対象書となった講談社刊3冊は、いずれもブルーバックスである。めでたく2000冊を迎えた同シリーズさん、科学書普及への大きな貢献感謝します。本書もそれにふさわしい内容の本で、まさに現代天文学の真髄となった。

評者は、かねてから雑学天文大百科という秘密書の記事を毎日追加しているが、このところ系外惑星、宇宙論、ブラックホールの記事追加が目まぐるしい。特に本書を新刊書店で発見してからたったの3日で読み上げた今日この頃は、数頁読んではメモの繰り返しで、寝る間もなかったほどである。ベテルギウスその他の変光星の観測は、その間も欠かさなかったが、それにしても最近この分野のニュースは無きが如し。サミシイヨー。

それに較べて、3C48、3C273、3C295、はくちょう座X-1、さそり座X-1(共に今は懐かしい名前だが…)、そしてNGC 4258、いて座A*(スターと読む)とM87(最後の2つが巨大ブラックホール天体の代表)が、現代のスーパースターだ。その上、本書178頁記載の巨大ブラックホール系統図(AGN動物園)は、評者初見の価値ある図表で、その中にあるFRI型のケンタウルス座AとFRII型のヘルクレス座A(いずれも電波銀河)、ブレーザーのとかげ座BL、OVV(光学的激変天体)など、これからもブラックホール界を席巻していくだろう。

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新刊情報

5月23日更新

ロケットを理解するための10のポイント

  • 青木宏 著
  • 森北出版
  • ISBN 978-4627691315

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隕石 迷信と驚嘆から宇宙化学へ

  • マテュー・グネル 著、米田成一 監修、斎藤かぐみ 訳
  • 白水社
  • ISBN 978-4560510124

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星界の報告

  • ガリレオ・ガリレイ 著、伊藤和行 訳
  • 講談社
  • ISBN 978-4062924108

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彗星パンスペルミア 生命の源を宇宙に探す

  • チャンドラ・ウィックラマシンゲ 著、松井孝典 監修、所源亮 訳
  • 恒星社厚生閣
  • ISBN 978-4769916000

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銀河宇宙観測の最前線 「ハッブル」と「すばる」の壮大なコラボ

  • 谷口義明 著
  • 海鳴社
  • ISBN 978-4875253327

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星空の地図帳 星座物語

  • スザンナ・ヒスロップ 著、ハンナ・ウォルドロン イラスト、佐藤利恵 訳
  • 柊風舎
  • ISBN 978-4864980456

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宇宙の不思議 太陽系惑星から銀河・宇宙人まで

  • 縣秀彦 監修
  • PHP研究所
  • ISBN 978-4569786711

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大人も眠れないほど面白い宇宙の雑学 17億5000万年後の地球の未来は?!

  • 木下好則 著
  • ごきげんビジネス出版
  • ISBN 978-4908355653

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巨大ブラックホールの謎 宇宙最大の「時空の穴」に迫る

  • 本間希樹 著
  • 講談社
  • ISBN 978-4065020111

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Xプライズ 宇宙に挑む男たち

  • ジュリアン・ガスリー 著、門脇弘典 訳
  • 日経BP社
  • ISBN 978-4822255169

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