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Book Reviewこだわり天文書評

金井三男さんのWebオリジナルレビューと「星ナビ」月刊ほんナビを掲載しています(不定期更新)。▼天文・宇宙関連書の最新刊リストも掲載。

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金井三男のこだわり天文書評 第百二十六回(11/20)

■宇宙はどこまで行けるか■立体星図工作キット■図解 宇宙のかたち

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星ナビ「月刊ほんナビ」(原智子さん他) 星ナビ2018年11月号(11/20)

■ホーキング、最後に語る■忙しすぎる人のための宇宙講座■天の川が消える日■銀河I・II■宇宙図

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金井三男さん 金井 三男(かない みつお)

1974〜1989年に東京・渋谷にあった五島プラネタリウムで解説員として活躍の後、(株)東急コミュニティーにて後輩の指導・育成に携わる。現在は首都圏10か所のカルチャーセンターで毎月講演会を行っている。月刊「星ナビ」で、独自の視点から天文や宇宙を追究する「金井三男のこだわり天文夜話」を連載中。

新着レビュー

金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

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宇宙はどこまで行けるか ロケットエンジンの実力と未来
 

宇宙はどこまで行けるか ロケットエンジンの実力と未来

  • 小泉宏之 著
  • 中央公論新社
  • 17.5×11cm、304ページ
  • 2018年9月
  • ISBN 978-4121025074

ともかく本書は第一級で面白い。それも破格と言って良いほどの科学書として、である。なにしろ著者は、あの東京大学大学院航空宇宙工学専攻を2002年に卒業なさったバリバリの研究者。対する評者は1969年に東京学芸大学教育学部地学科天文学専修を出たしがないプラネタリウム解説員、比べようがない。故に、本書67頁で「あなた自身から電磁波を出そうとしたら身体を6000℃くらいまで温めればよい」と、堂々と言えるのだ。科学者の神髄といえるだろう。

本書を読み始めるに当たっては、まず後書き(おわりに)から読もう。大人の科学バーという催しで10回にわたり語られた内容をまとめたモノであるそうだ。そのような催し物があることは聞いてはいたが、行かなかったこと誠に残念無念! と同時に、お子さんや奥様への思いやりは、さすが大人だと思う。こういうことが判ったら、おもむろにはじめにに目を移そう。

宇宙は全宇宙の99.9999…%というあたりから、もう科学そのもの。その後は第一章から第八章まで宇宙を突っ走るという寸法。評者も一応科学を学び、科学が一番面白いと思っているが、それでも最近の先端宇宙科学がスゴイと思わせてくれて、本書評のためにこれほど時間をかけて隅々まで読み通したことは、最近無かった。たとえば、イオンロケットのイロハからエヒモセズまで丁寧に解説してある本は、これまでお目にかかったことがなかった。太陽系内ばかりでなくケンタウルス座α星系への移住など、最早老人の手ではなく、頭に負える話ではない。面白いですよ。

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立体星図工作キット 01 北斗七星
 

立体星図工作キット 01 北斗七星

新宿西口の某有名書店理工学書コーナーで発見した珍書。というよりキット。キッズ向けをかなり意識しているが、これは堂々たる大人向けのモノだ。空間認識がほぼ無い小学校低学年ではまず理解が困難。だが、宇宙空間認識が是非とも必要な大人にとっては、極めて有益なキットである。税抜き1200円という安価で早速家に帰って工作した。ものの十数分で完成。以前から評者もステラナビゲータやミタカを使っているときに、こんなモノがあったらいいなと願っていた。

古代人が考えていた宇宙観は、すべて恒星が地球から等距離にあるというものだった。それが年周視差の発見によって、今ではベガやアルタイルよりデネブは約100倍も遠いことが判っている。その上、デネブは見かけ上、他の2星より明らかに暗いが、本当の明るさは数万倍明るいという。宇宙の実相は見かけでは判らないのだ。北斗七星を見て柄杓みたいだな、否フライパンだな、熊の尻尾だなと表現するだけではダメなのだ。ステラナビゲータでは、約10万年前、約10万年後の北斗七星が現在と全く異なる並び方になることが判るが、これも固有運動の相違を理解しないとならない。だが、距離の相違も加えて理解するには、このキットに勝るモノはない。

おそらく著者らは将来的に、オリオン座やその他の星座、ヒアデス星団などの企画販売をお考えになっていることだろうが、一見マニアックと見えるこのキットが多数の書店の書棚に並ぶことを、評者は想像したい。カルチャーセンターで、評者は受講生に紹介させてもらっている。

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図解 宇宙のかたち 「大規模構造」を読む
 

図解 宇宙のかたち 「大規模構造」を読む

  • 松原隆彦 著
  • 光文社
  • 17.4×10.8cm、280ページ
  • 2018年10月
  • ISBN 978-4334043742

最近、本書評で紹介すべき内容の天文書出版が少ないなと思っていたので、丸の内の有名書店を訪れた途端、やったぁ! と店頭で叫んでしまった。帰りの電車内で、評者は近々、古代人が考案した星座同様、銀河座から銀河群座、銀河団座、超銀河団座、ボイド座等々、具体的に提案しようと心に決めたのである。何故かといえば、目では見えなくても大望遠鏡なら空(宇宙空間)に、しかも3D的に見えているからだ。堂々たる現代的(星)座なのだ。

著者の松原先生は、この分野の著作が多い堂々たる宇宙論学者。どれもわかりやすく説明してくださる本ばかりで、本書も以下同様。前書き冒頭の「私たちが住んでいる宇宙はどうなっているのだろう」がすべてであり、出発点でかつ終着点である。その間に階層としての恒星界、銀河集団、大規模構造、ダークマター、密度ゆらぎ、インフレーションがあり、ジーナス統計、ミンコフスキー汎関数(この辺から難しくなるが…)、赤方偏移、神の指とカイザー効果、バリオン音響振動、ダークエネルギー、宇宙の曲率(いやはや)、ここまで来ると評者は何を評して良いのやらだが、でもね、とても易しく判りやすく書かれていますよ。

従って、先ほど書いたように、本書は現代宇宙論者が何を研究しているのかがよくわかる本で、最近出版の天文書としては、一番におすすめできる本である。おかげで、評者の雑学天文大百科もメチャクチャメモ量が増えてしまった。本書あとがきも一読の価値がありますよ!

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新刊情報

11月20日掲載

理科年表 2019

  • 国立天文台 編
  • 丸善出版
  • ISBN 978-4621303313

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せつない夜空のはなし

  • 森山晋平 著、浦智史 監修、伊藤ハムスター イラスト
  • 三才ブックス
  • ISBN 978-4866731001

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これだけは知っておきたい! 弁護士による宇宙ビジネスガイド

  • 第一東京弁護士会 編
  • 同文舘出版
  • ISBN 978-4495465919

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きみは宇宙飛行士! 宇宙食・宇宙のトイレ まるごとハンドブック

  • ロウイー・ストーウェル 著、竹内薫 監修・訳、竹内さなみ 訳
  • 偕成社
  • ISBN 978-4035334705

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おもしろくて、役に立たない!? へんてこりんな宇宙図鑑

  • 岩谷圭介 著、柏原昇店 著
  • キノブックス
  • ISBN 978-4909689177

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宇宙のすがたを科学する

  • ギヨーム・デュプラ 著、渡辺滋人 訳
  • 創元社
  • ISBN 978-4422760650

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佐藤勝彦博士が語る 宇宙論のきほん

  • ニュートンプレス
  • ISBN 978-4315521290

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僕たちは、宇宙のことぜんぜんわからない この世で一番おもしろい宇宙入門

  • ジョージ・チャム 著、ダニエル・ホワイトソン 著、水谷淳 訳
  • ダイヤモンド社
  • ISBN 978-4478069547

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宇宙創生の謎にせまる 無限宇宙に存在する「物質因子」と「繫合派」

  • 歩吾路次晴 著
  • 幻冬舎
  • ISBN 978-4344919617

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道標 天文方・伊能忠敬 二

  • 小杉健治 著
  • 朝日新聞出版
  • ISBN 978-4022649058

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天文手帳 2019

  • 浅田英夫 著、石田智 著
  • 地人書館
  • ISBN 978-4805209240

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月のひみつシリーズ 月のかたち

  • 藤井旭 監修
  • ほるぷ出版
  • ISBN 978-4593588145

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Astronomy-Space Test 2019 CALENDAR

  • 恒星社厚生閣
  • ISBN 978-4769916277

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図解入門業界研究 最新宇宙ビジネスの動向とカラクリがよ〜くわかる本

  • 齊田興哉 著
  • 秀和システム
  • ISBN 978-4798054759

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10月22日掲載

いま明かされる! すばる望遠鏡 ソフトウェアとの熱き闘い 開発に秘められた情熱と現実

  • 水本好彦 著、佐々木敏由紀 著、小杉城治 著
  • インプレスR&D
  • ISBN 978-4844398530

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絵でわかる宇宙地球科学

  • 寺田健太郎 著
  • 講談社サイエンティフィク
  • ISBN 978-4065133606

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量子宇宙 ホーキングから最新理論まで

  • 日経サイエンス編集部 編
  • 日本経済新聞出版社
  • ISBN 978-4532512293

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全国公開天文台ガイド

  • 恒星社厚生閣編集部 編、日本公開天文台協会 監修
  • 恒星社厚生閣
  • ISBN 978-4769916185

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図解 宇宙のかたち 「大規模構造」を読む

  • 松原隆彦 著
  • 光文社
  • ISBN 978-4334043742

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私たちは時空を超えられるか 最新理論が導く宇宙の果て、未来と過去への旅

  • 松原隆彦 著
  • SBクリエイティブ
  • ISBN 978-4797388992

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無限の宇宙 ホーキング博士とわたしの旅

  • ジェーン・ホーキング 著、堀川志野舞 訳
  • 静山社
  • ISBN 978-4863894525

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宇宙・天文で働く

  • 本田隆行 著
  • ぺりかん社
  • ISBN 978-4831515179

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天体画像の誤差と統計解析

  • 照井伸彦 編、小谷元子 編、赤間陽二 編、花輪公雄 編、市川隆 著、田中幹人 著
  • 共立出版
  • ISBN 978-4320111240

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もしも宇宙に行くのなら 人間の未来のための思考実験

  • 崚膽] 著
  • 岩波書店
  • ISBN 978-4000253239

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月のこよみ 2019 365日の月の満ち欠けがわかる

  • 相馬充 監修
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416618998

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ホーキング博士 人類と宇宙の未来地図

  • 竹内薫 著
  • 宝島社
  • ISBN 978-4800286802

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絵でわかる宇宙の誕生

  • 福江純 著
  • 講談社
  • ISBN 978-4065130544

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宇宙はどこまで行けるか ロケットエンジンの実力と未来

  • 小泉宏之 著
  • 中央公論新社
  • ISBN 978-4121025074

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9月20日掲載

天体観測手帳2019

  • 早水勉 著
  • 技術評論社
  • ISBN 978-4774198712

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最適観測系理論

  • 木村武雄 著
  • 光陽出版社
  • ISBN 978-4876626120

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現代物理学が描く 宇宙論

  • 真貝寿明 著
  • 共立出版
  • ISBN 978-4320036055

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月の満ちかけをながめよう

  • 森雅之 著、相馬充 監修
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416618967

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忙しすぎる人のための宇宙講座

  • ニール・ドグラース・タイソン 著、渡部潤一 監修、田沢恭子 訳
  • 早川書房
  • ISBN 978-4152097958

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科学の迷信 世界をまどわせた思い込みの真相

  • ナショナルジオグラフィック 編
  • 日経ナショナルジオグラフィック社
  • ISBN 978-4863134232

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重力波の源

  • 柴田大 著、久徳浩太郎 著
  • 朝倉書店
  • ISBN 978-4254138016

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インフォグラフィックで見る サイエンスの世界 ビッグバンから人工知能まで

  • トム・キャボット 著、柴田浩一 訳、千葉啓恵 訳
  • 創元社
  • ISBN 978-4422400396

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