パンスターズ彗星、太陽最接近を前に肉眼等級へ

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【2013年3月1日 アストロアーツ】

以前予測されたようなマイナス等級にはならないとみられるパンスターズ彗星(C/2011 L4)だが、3月10日の太陽最接近を前に、南半球では彗星らしい見事な姿を見せはじめているようだ。3月5日発売の「星ナビ」4月号記事から抜粋した最新情報を先取りで紹介する。


(※)「星ナビ」2013年4月号(3月5日発売)(執筆:吉田誠一さん)からの抜粋です。

2011年6月の発見直後から明るくなると期待され、2年近くにわたって注目されてきたパンスターズ彗星が、本誌が発売される頃、いよいよ日本の夕方の空にデビューする。さあ読者の皆さん、準備は万全だろうか。

残念ながら、肝心のパンスターズ彗星の方はデビューに向けた準備がしっかりできなかったようだ。着実に明るさを増してきているが、そのペースは遅く、期待を下回っている。どうやらマイナス等級の大彗星になることはなさそうだ。だが、双眼鏡で楽に見える明るい彗星として充分に楽しむことはできるだろう。

この原稿を書いている2月15日時点で、パンスターズ彗星は、地球軌道の内側に入り、太陽に0.7天文単位の距離まで迫っている。3月10日には、太陽に0.3天文単位まで最接近するが、その距離はもう目前だ。

日本からは見えないパンスターズ彗星も、南半球の熱心な観測者から連日のようにその様子が伝えられている。気になる明るさは、2月15日の時点で5等。12月末に姿を現してからは日に日に明るさを増していき、2月中旬にはいよいよ肉眼でも見える明るさになってきた。

彗星といえば、もうろうとした淡い星雲状の姿を想像するかもしれないが、パンスターズ彗星は違う。ひじょうに集光が強くしっかりとした姿で、頭部は明るく輝いている。これは、2007年の大彗星・マックノート彗星の最接近前の姿を彷彿とさせる。尾も発達してきて、写真では立派な尾を伸ばした格好良い姿が捉えられている。

星ナビ2013年4月号 詳しくは星ナビ2013年4月号(3月5日発売)
「パンスターズ彗星」特集で

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