金環最終チェック! 安全に楽しむ「日食観察ガイド」を公開

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【2012年5月14日 アストロアーツ2012年金環日食日本委員会ウェザーニュース

5月21日の日食までいよいよあと1週間。星ナビ最新号から、適切な観察方法についての情報を抜粋したPDFファイルを無償公開しました。「危険な市販品」についてなど、安全についての最終確認情報を紹介します。


金環・部分日食を安全に観察する「日食観察ガイド」PDFを無償公開

「日食観察ガイド」PDF

「日食観察ガイド」PDF。画像をクリックするとPDF(18MB)を表示

月刊星ナビ6月号表紙

「金環・部分日食を安全にする」PDFは、月刊星ナビ6月号からの抜粋。

アストロアーツでは、「月刊星ナビ 2012年6月号」の一部をPDF化し、「日食観察ガイド」として無償公開しました。画像をクリックすると、PDFが表示されます。

このPDFは、自由にご利用いただけます。学校や観望会におけるプリント配布(小部数に限る)、個人のウェブページからのPDFの再配布も可能です。安全に楽しく手軽に日食を楽しむために、ぜひご活用ください。

※利用に際しましては、「星ナビ6月号(アストロアーツ刊)」掲載記事であることを必ず明記ください。

また、安全で手軽に日食を観察できるピンホール式望遠鏡などを身近な物で簡単に作る方法を紹介した「ピンホールで欠けた太陽を見る」PDFも、金環日食特設サイト「どうすれば見られるの?」ページで公開しています。

危険な日食めがねも市販!

日本天文協議会は、市販されている日食めがね類の中に安全性が十分でなく眼を傷める可能性の高いものがあるという注意喚起の発表を行いました。同協議会のワーキンググループ「2012年金環日食日本委員会」のウェブサイトでは、「明らかに危険な製品の見分け方」のチェックポイントを公表しています。

日食観察グラス(※)「明らかに危険な製品の見分け方」
2012年金環日食日本委員会ウェブサイトより

不適切な透過率の製品と公表されたもの
主なチェックポイント
  • 室内の点灯した蛍光灯を見て、一見して明るく、形がはっきりと見える製品
    可視光線(目に見える光)を十分に減光している製品の多くは、かすかに蛍光灯を確認できる程度の見え方です。
  • 可視光線や赤外線の透過率が高い製品
    安全性の検討材料となる数値として、 可視光線で0.003%以下、赤外線で3%以下という目安があります。(あくまで目安)
  • LEDライトなどの強い光にかざした時に、ひび割れや穴が確認できるもの

(※)製品名はさまざまです。

参考画像
室内の蛍光灯にかざしてみたときに一見して明るく形がはっきりと見えている例

室内の蛍光灯にかざしてみたときに一見して明るく形がはっきりと見えている例。(イメージ)

可視光線を十分に減光している製品での見え方の例

可視光線を十分に減光している製品での見え方の例。(イメージ。クリックで拡大)

アストロアーツ製品およびアストロアーツオンラインショップで扱っている観察器具に関しては、安全な条件をクリアしていることを確認しています。

薄曇りになったら?

1週間前と迫った今、気になるのは当日の天気。ウェザーニュースの予報(14日現在)によれば、21日朝は「金環日食の見える太平洋側のエリアほど雲が広がり、(大きく欠けた部分食が見られる)北日本や日本海側では晴れ」となっています。

空が薄曇りの場合、日食めがねなどでは暗すぎて見えず、つい裸眼で見ようとしてしまいますが、2012年金環日食日本委員会(リンク先より「雲が去来する場合の危険性」)ではこうした場合について、

  • 雲が急に薄くなり、太陽光が眼に入ってしまう
  • 観察している間にまぶしさに慣れてしまい、危険な光量に達しても気がつかない

などの危険性について警告するとともに、安全に観察できる場合の判断の目安について掲載しています。

金環食が見える高度・方向は?

部分日食は約3時間にわたって見られますが、金環食が見られるのは長くてもほんの数分間。いざ金環食という時に建物のかげに隠れていた…ということのないように、同じ場所・時間で太陽の見える方向・高度を確認しておきましょう。1週間前なら大きな違いはありません。

iPhoneに搭載されたGPSや電子コンパスと連動して、日食が見える方向を風景に重ねてシミュレーションできる「金環アプリ2012」(無料)もあります。

安全第一! 「日食は今後も見られるチャンスがある」

世界的に見れば日食はほぼ毎年起こっています。たとえばオーストラリアでは今年11月13日には皆既日食を、2013年5月10日には金環日食を見ることができます。5月21日の日食は、「多くの日本人が居ながらにして見られる」という意味では非常に稀なチャンスですが、「今回しか見られない」とばかりに無理をして眼を傷めてしまっては意味がありません。

こうしたことをふまえた上で、日本中で分かち合える天体ショーを安全に、そして思う存分楽しみましょう。

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