似てる? 宇宙で輝くパックマン星雲

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【2011年10月31日 NASA

NASAの広域赤外線探査衛星「WISE」が撮影したNGC 281、通称「パックマン星雲」の画像が公開された。


「WISE」が撮影したNGC 281

「WISE」が撮影したNGC 281。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech/UCLA)

光学望遠鏡で観察すると、大きく口を開けて宇宙を進んでいくパックマン(人気ゲームのキャラクター)に似ているということから名づけられた「パックマン星雲」。カタログ番号ではNGC 281というこの星雲を広域赤外線探査衛星「WISE」が撮影した画像が公開された。ちょうどこの画像では下にギザギザした歯があり、左上に向かって口を開けている様がパックマンのように見える。

実際のところ、この歯に見える部分は星がまさに形成されている領域だ。星雲の中心(画像の赤や緑の雲の中心部分)にある高温の大質量星からの猛烈な紫外線放射や恒星風によってダストやガスが吹き飛ばされ、もっとも濃い部分だけが残っている。歯の先端では物質が圧縮され、新しい星が生まれるかもしれない。また、ところどころに見える赤い点は生まれたての星と考えられ、ダストのゆりかごの中で大きくなろうとしている最中だと思われる。

NGC 281はカシオペヤ座の方向に9200光年離れたところにある130光年ほどの大きさの星雲である。この画像では、WISEに搭載された4つの検出器で観測したデータに擬似的に色を付けて合成している。青が3.4μm、青緑が4.6μm、緑が12μm、赤が22μmの波長の光をとらえて色づけしたもので、短い波長は星に起因する高温の領域を、長い波長は、星の周囲にある暖かいダストの領域を示している。