赤外線天文衛星「あかり」が科学観測を終了

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【2011年6月20日 JAXA

5月末から電力異常となっていた赤外線天文衛星「あかり」が、科学観測を終了すると発表された。2006年に打ち上げられ、目標寿命を超えて運用が続けられていた。


(「あかり」が検出した天体の全天分布の画像)

「あかり」による赤外線天体カタログは約130万個もの天体が収録され、世界の研究者に活用されている。クリックで拡大(提供:JAXA、以下同)

(「あかり」が撮影したイトカワの画像)

2007年7月に撮影した小惑星イトカワ。中間赤外線での観測は、小惑星の大きさを推定するのに適している。クリックで拡大

2006年年2月22日に打ち上げられ、赤外線天文学に関する多くの成果をあげてきた衛星「あかり」(ASTRO-F)が、今年5月24日に発生した電力異常による影響で、日陰と日照のたびに電源のONとOFFを繰り返す状態となっている(2011/5/25ニュース「赤外線天文衛星「あかり」に電力異常」参照)。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月17日、この状態では通信や姿勢制御などの衛星運用の制約が大きく科学観測の再開は難しいとの判断が下されたことを発表した。今後は引き続き電力異常の原因を調査するとともに、確実な停波(運用終了時に衛星からの電波発信を止めること)に向けた運用を行っていくとのことだ。

「あかり」は、鹿児島・内之浦宇宙空間観測所からM-V(ミューファイブ)ロケット8号機で打ち上げられた日本初の赤外線天文衛星だ。要求寿命1年、目標寿命3年を超えての運用を通じ、その観測データに基づいて約130万天体に及ぶ「赤外線天体カタログ」が作成されるなど、赤外線天文学に関する多くの成果をあげた。

「あかり」が取得した観測データの解析は現在も続いており、2010年3月に公開した赤外線天体カタログは世界の研究者に広く使われている。

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