【訃報】宇宙科学研究本部研究総主幹 小杉健郎教授

【2006年11月29日 アストロアーツ】

宇宙科学研究本部研究総主幹の小杉健郎(こすぎ・たけお)教授が11月26日、脳梗塞のため死去されました。享年57歳。小杉教授は、今年9月に打ち上げられた「ひので」を含め、2機の太陽観測衛星でプロジェクトマネジャーを務められました。


1949年生まれの小杉健郎教授は、東京大学東京天文台助手、東京大学理学部天文学教育研究センター助教授、国立天文台教授を経て、1998年より宇宙科学研究本部研究総主幹の職に就任されました。専門は太陽フレアの研究で、太陽観測衛星「ようこう」のプロジェクトマネージャを務められました。1991年8月30日に打ち上げられた「ようこう」は、太陽コロナや太陽フレアをX線で観測するために打ち上げられ、数百万枚の画像を撮影して太陽フレアのメカニズム解明に大きく貢献しました。

小杉教授は、今年9月に打ち上げられたばかりの「ひので」のプロジェクトマネージャーも務められていました。「ひので」には、「ようこう」によって培われた技術や経験が受け継がれています。搭載された3台の観測装置は順調に稼働し、10月には試験観測結果も公開されました。そして11月27日に、世界が注目する中「ひので」による初期観測成果が発表されましたが、小杉教授は残念ながらその前日に急逝されてしまいました。

小杉健郎教授のご冥福を心よりお祈りいたします。

(「ひので」の初期観測成果に関するニュースは、「「ひので」の初期成果:ダイナミックな太陽活動」をご覧ください)