情報トピックス(2003年11月)

国内のさまざまなメディアで取り上げられた天文ニュースや皆様からお寄せいただいた写真などを紹介しています。記事の詳細については各リンク先を参照してください。

2003/11/29

H-IIAロケット6号機、打ち上げ失敗(宇宙航空研究開発機構)

29日午後1時半過ぎ、宇宙航空研究開発機構のH-IIAロケット6号機が鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられたが、およそ10分後に重大なトラブルが発生したため、地上からの指令により爆破された。2本のブースタのうち1本が分離できなかったのが原因。ロケットでは情報収集衛星2号機を打ち上げる予定だった。

今回の打ち上げは3回の延期により2か月半遅れており、結果的に10月の宇宙関連3機関の統合後初めての打ち上げとなっていた。

秋田で隕石発見

秋田市の民家に保管されていた小石が隕石だったことが判明した。1930〜40年代に落下したとみられている。

写真投稿:「2003年11月25日の土星による恒星食」

山崎誠さん撮影。2003年11月25日に起こった土星による恒星食。クリックで拡大

(土星による恒星食の写真)

撮影日時:
2003年11月25日 23時27分、露出 1/33秒×230フレームコンポジット
撮影地:
福岡県福岡市東区
撮影機材等:
ミード Starfinder(D=20cm F6 ニュートン反射)、LV15mm(合成F24)、Philips ToUcam Pro(赤外カットフィルタなし)、2.8度プリズム使用、ビクセン GP-D赤道儀
K3CCDToolsで撮影、コンポジット後、Registaxでウエーブレット処理
●撮影者コメント:

土星本体から出現した頃からようやく晴れてきたので、急いで撮影準備を始めました。恒星は微かですが、これ以上ゲインを上げると土星が白飛びを起こすので妥協しました。8ビットの限界です。

環が明るく、眼視ではこの撮影後もう少し離れないと確認できませんでした。

写真投稿:「富士写真フイルム FinePix S2 Proによるメシエ天体など」

林伸彦さん撮影。富士写真フイルムのデジカメ FinePix S2 Proによるメシエ天体など(サムネールのみ)

撮影データなどは下記「デジカメ実験隊」のページに記載

(M42の写真) (M45の写真) (M51の写真) (M65、M66、NGC 3628の写真) (M81、M82の写真) (M97、M108の写真) (NGC 4565の写真)

2003/11/27

写真投稿:

みなさまよりたくさんの画像をお送りいただいています。以下にまとめてご紹介いたします。なお、拡大画像や撮影データなどは「星ナビデジカメ実験隊がゆく」のページにてご覧いただけます(サムネール画像から、デジカメ実験隊の各作品ページへリンクしています)。

大貫弘毅さん:「M31、M33、M41、M42、M45」

(M31の写真) (M33の写真) (M42の写真) (M45の写真) (M31の写真) (M41の写真) (M42の写真) (M45の写真)

西島忠さん:「大マゼラン雲、小マゼラン雲とカノープス」「銀河の中に輝く南十字星」

(マゼラン雲とカノープスの写真) (南十字星の写真)

宇都正明さん:「オリオン大星雲、網状星雲」

(オリオン大星雲の写真) (網状星雲の写真)

林伸彦さん:「M42、M45、M51、M81、M82、M101、NGC 4565」

(M42の写真) (M45の写真) (M51の写真) (M81の写真) (M82の写真) (M101の写真) (NGC 4565の写真)

写真投稿:「2003年11月25日の土星による恒星食」

瀧本郁夫さん撮影。2003年11月25日に起こった土星による恒星食。クリックで拡大

(土星による恒星食の写真 1) (土星による恒星食の写真 2)

撮影日時:
2003年11月25日 14時17分19秒、39分5秒(いずれもUT)、露出 1/25秒×831(662)フレームコンポジット
撮影地:
香川県綾歌郡
撮影機材等:
ニュートン反射(D=31cm、F6.5)、ミード PL15mm、Philips ToUcam Pro
●撮影者コメント:

ふたご座の恒星TYC1343-019001-1(8.3等)の掩蔽を見ることができた。眼視でははっきりと見えるが、モニター上では暗くて、注意深く見ると何かあるな?といった程度でした。とにかくシーイングが悪かった。

12月1日、3日に起こる、小惑星による恒星食の改良予報

小惑星(198) Ampellaによる恒星食。12月1日(月)1時56分〜59分、東日本で観測される可能性がある。
恒星はHIP 4705(赤経 01h00m29.685s、赤緯 +18°41'29.69"(J2000)、7.2等、うお座66番星の東 約1°29'、重星)
1.9等の減光で、継続時間は最長9.9秒

小惑星(20) Massaliaによる恒星食。12月3日(水)4時41分、九州地方南部で観測される可能性がある。
恒星はTYC5556-00437-1(赤経 13h52m05.257s、赤緯 -11°38'02.05"(J2000)、10.6等、おとめ座86番星の北東 約1°42')
1.2等の減光で、継続時間は最長3.6秒

2003/11/25

天文関連書 新刊情報

相対論的宇宙論 ブラックホール・宇宙・超宇宙
佐藤文隆(さとう・ふみたか)著 松田卓也(まつだ・たくや)著 講談社
本体980円 18cm 272 5p (ブルーバックス B-1425)
ISBN 4-06-257425-X
オックスフォード天文学辞典
Ian Ridpath編 岡村定矩(おかむら・さだのり)監修 朝倉書店
本体9600円 22cm 494p
ISBN 4-254-15017-2
宇宙「96%の謎」 最新宇宙学が描く宇宙の真の姿
佐藤勝彦(さとう・かつひこ)著 実業之日本社
本体1700円 20cm 263p
ISBN 4-408-32203-2

2003/11/21

写真投稿:「富士写真フイルム FinePix S2 Proによるオーロラと南十字」

西島忠さん撮影。富士写真フイルムのデジカメ FinePix S2 Proによる、2003年11月12日にニュージーランドで見られたオーロラと南十字(サムネールのみ)

(オーロラの写真)

拡大画像、撮影データなどは下記「デジカメ実験隊」のページに記載

写真投稿:「ペンタックス *ist Dによるオーロラ」

高坂雄一さん撮影。ペンタックスのデジカメ *ist Dによる、カナダで11月20日に見られたオーロラ(サムネールのみ)

(オーロラの写真)

拡大画像、撮影データなどは下記「デジカメ実験隊」のページに記載

写真投稿:「キヤノン EOS 10Dによる二重星団」

阿間祥二さん撮影。キヤノンのデジカメ EOS 10Dによる二重星団(サムネールのみ)

(二重星団の写真)

拡大画像、撮影データなどは下記「デジカメ実験隊」のページに記載

写真投稿:「富士写真フイルム FinePix S2 Proによる流星」

和光久さん撮影。富士写真フイルムのデジカメ FinePix S2 Proによる2003年のしし座流星群の流星とおうし座流星群の流星(サムネールのみ)

(流星の写真 1) (流星の写真 2)

拡大画像、撮影データなどは下記「デジカメ実験隊」のページに記載

写真投稿:「TGV-Mによる土星」

斎藤幸夫さん撮影。TGV-Mによる土星。クリックで拡大

(土星の写真)

撮影日時:
2003年11月7日(詳細は画像中に記載)、(L画像露出)各1フレーム蓄積×撮影フレーム数、(R画像露出)4フレーム蓄積×1600フレーム、(G画像露出)4フレーム蓄積×1600フレーム、(B画像露出)8フレーム蓄積×1600フレーム
撮影地:
静岡県富士市
撮影機材等:
ALTER-T(D=15cm F10)、LV10mm(L画像)/PL20mm(RGB画像)、TGV-M(天ガ+ワテック)からDVカメラに記録、光映舎 LRGBフィルタ、タカハシ EM-10B赤道儀、リレーレンズ法撮影
Registax処理後、ステライメージ4にてLRGB合成
●撮影者コメント:

TGV-Mにて土星の撮影に挑戦しました。L画像は拡大率を上げても撮影でますが、RGB画像は拡大率を下げないと撮影がむずかしいです。

土星の画像に小白斑らしきものが見られます??(特に真中の土星が良く見えます)。下の画像は強調画像処理しました。なんど画像処理をし直しても、L画像に見られます。

11月25日、27日に起こる、小惑星による恒星食の改良予報

小惑星(678) Fredegundisによる恒星食。11月25日(火)3時15分、東北地方北部で観測される可能性がある。
恒星はTYC0825-01439-1(赤経 09h12m34.220s、赤緯 +14°45'58.46"(J2000)、11.9等、かに座π1星の南 約 14')
1.6等の減光で、継続時間は最長4.7秒

小惑星(1306) Scythiaによる恒星食。11月27日(木)0時22分〜25分、東日本で観測される可能性がある。
恒星はTYC1725-01287-1(赤経 23h52m52.335s、赤緯 +19°09'51.87"(J2000)、11.1等、ペガスス座ψ星の東 約 6')
3.4等の減光で、継続時間は最長8.4秒

2003/11/20

写真投稿:「Philips ToUcam Proによる木星」

(ハンドル)りんたろうさん撮影。Philipsのウェブカメラ ToUcam Proによる木星。クリックで拡大

(木星の写真)

撮影日時:
2003年11月14日 5時18分、露出 15秒×1350フレームコンポジット(総露出時間 90秒)
撮影地:
東京都中央区
撮影機材等:
タカハシ FS102(D=10.2cm F8)、ビクセン GPD赤道儀、NP12mm、Philips ToUcam Pro
Registaxで合成、Wavelet処理後ステライメージ4にて細部処理
●撮影者コメント:

大赤斑があると木星って感じがします。高度が高くなるギリギリまで待ってから、ToUcamで撮影しました。空がうっすらと明るくなっても木星は存在感がありますね。透明度、シーイングともに良い条件でした。

写真投稿:「富士写真フイルム FinePix1500による太陽」

瀧本郁夫さん撮影。富士写真フイルムのデジカメ FinePix1500による太陽(サムネールのみ)

(太陽の写真)

拡大画像、撮影データなどは下記「デジカメ実験隊」のページに記載

2003/11/14

国内最大の2m望遠鏡が完成

三菱電機通信機製作所が製作した、国内最大となる口径2mの望遠鏡が完成した。兵庫県の西はりま天文台に設置される。従来の国内最大の望遠鏡は、岡山天体物理観測所の1.8mの望遠鏡だった。また、口径2mは一般公開を目的とした望遠鏡としては世界最大。

2003/11/12

写真投稿:「カナダで起こった皆既月食」

高坂雄一さん撮影。カナダで11月8日(現地太平洋時間)に起こった皆既月食。ペンタックスのデジカメ *ist Dで撮影(サムネールのみ)

(皆既月食の連続写真)

拡大画像、撮影データなどは下記「デジカメ実験隊」のページに記載。なお、カナダで見られたオーロラの画像もお送りいただいています(10月31日のニュース「【投稿画像集】低緯度オーロラの出現を捉えた」に追加掲載)

天文関連書 新刊情報

星座大全 秋の星座
藤井旭(ふじい・あきら)著 作品社
本体2800円 27cm 158p
ISBN 4-87893-768-8

2003/11/10

写真投稿:

みなさまよりたくさんの画像をお送りいただいています。以下にまとめてご紹介いたします。なお、それぞれの画像をクリックすると「星ナビデジカメ実験隊がゆく」のページへ移動します。リンク先のページでは拡大画像や撮影データなどが参照できます。

大貫弘毅さん:「M31」「馬頭星雲」「エンケ彗星とM31」
(M31の写真) (IC 434の写真) (エンケ彗星とM31の写真)

(ハンドル)りんたろうさん:「一眼デジカメの表現力に挑戦!」
(M31の写真) (M33の写真) (M42の写真) (M45の写真) (IC 434の写真) (NGC 2174の写真) (NGC 2237の写真)

横田富美夫さん:「馬頭星雲」
(IC 434の写真)

吉澤徹夫さん:「太陽」
(太陽の写真)

前原勲さん:「木星」
(木星の写真)

野田司さん:「オリオン座」「M31」「M42」
(オリオン座の写真) (M31の写真) (M45の写真)

八木田哲夫さん:「火星」
(火星の写真)

山本拓治さん:「M42」
(M42の写真)

写真投稿:

こちらも投稿いただいた画像ですが、デジカメによる作品ではないのでデジカメ実験隊へのリンクはありません。画像をクリックするとオリジナルサイズの画像をご覧いただけます。

森田光治さん:「ToUcam Proによる土星」
土星の写真

撮影日時:
2003年10月30日 16時37分17秒(UT)、露出 1/25秒×815フレームコンポジット
撮影機材等:
自作ニュートン望遠鏡(D=20.3mm F7.6)、ペンタックス XP14mm(合成F45)、Philips ToUcam Pro(IRカットフィルタ オフ)、タカハシ EM-200
その他:
画像中に土星のデータなどあり

瀬川康朗さん:「ToUcam Proによる木星、土星」
木星の写真 土星の写真

撮影日時:
2003年11月7日 (木星)4時14分、(土星)3時36分
撮影地:
千葉県佐倉市
撮影機材等:
TOA130、Philips ToUcam Pro
Registax2でスタッキング、ステライメ−ジ4で処理
●撮影者コメント:

自宅ベランダで望遠鏡を担ぎ出して30分後の撮影です。土星は天頂付近で初の撮影。解像度が大幅に上がり自分でも驚いています。環の繊細さを出すために画像処理を控えめにしています。

木星はまだ十分な高度になく解像度も今一歩で、軽いWAVELET処理や大気差補正(RGB合成)をしています。生まれて初めて大赤斑を見ました。

中井健二さん:「ToUcam Proによる土星」
土星の写真

撮影日時:
2003年10月31日 19時32分4秒(UT)、露出 1/25秒×1818フレーム中1732フレームコンポジット
撮影機材等:
LX200GPS-25(D=25.4cm F10 シュミットカセグレン)、LE7.5mm、Philips ToUcam Pro、2インチ Everbright Diagonal(IR-cut off)
その他:
CM1:310.6、CM3:38.4
シーイング 5/10、透明度 1/5
●撮影者コメント:

2インチEverbright diagonal使用にて、上下反転処理。眼視ではもっとよく見えている。土星は難しい。2分間撮影しました。

2003/11/07

環境観測技術衛星「みどりII」の観測運用継続を断念(宇宙航空研究開発機構)

先月25日に運用異常が発見された環境観測技術衛星「みどりII」の復旧が極めて困難であることが発表された。原因究明が急がれているが、先月末に発生した太陽フレアの影響も可能性として指摘されている。

天文関連書 新刊情報

天文観測年表 2004
天文観測年表編集委員会編 地人書館
本体2600円 26cm 245p
ISBN 4-8052-0733-7

11月8日、9日に起こる、小惑星による恒星食の改良予報

小惑星(1315) Bronislawaによる恒星食。11月8日(土)2時28分、東北地方北部、北海道南部で観測される可能性がある。
恒星はTYC1279-01966-1(赤経 04h44m22.604s、赤緯 +20°56'17.92"(J2000)、9.9等、おうし座τ星の南 約2°5')
5.3等の減光で、継続時間は最長5.3秒

小惑星(198) Ampellaによる恒星食。11月9日(日)20時15分〜19分、北海道、東北地方東部、関東地方東部で観測される可能性がある。
恒星はTYC1195-01849-1(赤経 00h58m36.395s、赤緯 +21°59'13.81"(J2000)、11.4等、うお座とアンドロメダ座の境界付近、アンドロメダ座η星の南 約1°28')
0.39等の減光で、継続時間は最長9.4秒

2003/11/06

すばる望遠鏡、最遠の銀河を発見(すばる望遠鏡)

(すばる望遠鏡で撮影した最遠の銀河)(提供:国立天文台、すばる望遠鏡)

すばる望遠鏡が撮影した画像を解析した結果、これまでに見つかっている銀河のうちでもっとも遠いものが発見された。

我々の銀河系にもっとも近い銀河も発見される(RAS)

赤外線による全天観測「2MASS」により、これまでに見つかったもののうち我々の銀河系にもっとも近い銀河が発見された。太陽からは2万5000光年、銀河系の中心からは4万2000光年離れている。この銀河は銀河系と衝突中とのことだ。

惑星探査機ボイジャー、太陽系に別れ(JPL)

NASAが1977年に打ち上げた惑星探査機ボイジャー1号が太陽から130億キロメートルの距離に達した。この距離は冥王星までの距離(約60億キロメートル)よりもはるか外側で、太陽系の最外縁部である。

2003/11/01

写真投稿:「エンケ彗星とM31」

下条博美さん撮影。富士写真フイルムのデジカメ FinePix S2 Proによる、エンケ彗星とM31の接近(サムネールのみ)

(エンケ彗星とM31の写真)

拡大画像、撮影データなどは下記「デジカメ実験隊」のページに記載

写真投稿:「ToUcam Proによる土星」

瀬川康朗さん撮影。Philipsのウェブカメラ ToUcam Proによる土星。クリックで拡大

(土星の写真)

撮影日時:
2003年10月31日 1時4分
撮影地:
千葉県佐倉市
撮影機材等:
TOA130、Philips ToUcam Pro
Registax2とステライメージ4で画像処理
●撮影者コメント:

土星は私が半年前に天体望遠鏡を初めて買ったとき、西の空に直ぐに沈んでしまう星だったのですが、高度が上がるこの時期は、見違えるほどまぶしくきれいに見えます。シ−イングは悪かったのですが、良像を厳選して処理しました。