新世紀の明るい超新星2001B, 2001C

【2001年1月10日 VSOLJニュース (047) (2001.1.6)】

新世紀 (新千年紀) に入ってまだ5日あまりですが、すでに3つの超新星の発見が報じられています。最初の超新星2001Aは近傍の銀河 (NGC 4261) に出現したものですが、発見時に18.9等と暗く、かなり古いか吸収を受けたものと考えられます。一方、 2001B と 2001C はいずれも明るい対象で、新世紀最初の超新星観測の対象として好適です。

SN 2001A SN 2001B, 2001C

超新星 2001B は、きりん座の北端近くの IC391 銀河に、北京天文台の超新星探索によって1月3.61日(世界時、以下同)に15.5等級で発見され、翌日には15.2等級まで明るくなっているのが確かめられました。位置は、赤経4時57分19.24秒、赤緯+78度11分16.5秒(2000.0分点、以下同)で、母銀河の中心から6秒西、9秒南にあたります。 IC391 は正面向きのやや乱れた渦巻銀河 (SA(s)c) で、超新星の位置は南の乱れた腕の中にあります。この銀河は、後退速度が1556 km/sと近く、もしこの速度がハッブル膨張を反映したものとすれば、超新星のなかでも明るいIa型であれば極大で13.3等まで明るくなると期待されますし、II型でも15等前後の極大が見込まれます。

一方、超新星 2001C は、やまねこ座の北端にある銀河 PGC 19975 に、アメリカのアマチュアT. PuckettさんとA. Sehgalさんによって1月4.09日に発見されました。位置は、赤経6時59分36.10秒、赤緯+59度31分01.6秒、母銀河中心の15秒東、6秒南にあたります。母銀河の PGC 19975 は割合暗い渦巻銀河で、中心核の南西側(8秒西、18秒南)には16等級ほど(もう少し暗い可能性もある)の前景の星があるので混同しないよう注意が必要です。この母銀河の後退速度は3280km/sで、Ia型超新星の予想極大光度は14.8等ほどです。

SN 2001B SN 2001C

いずれも北天高い位置にあり、この季節見やすい対象と言えるでしょう。寒さ対策を怠りなく、観望・観測をしてみてください。