チャンドラ、超新星1987Aの衝撃波を撮影

【2000年5月12日 Chandra Press Room CXC PR: 00-11 (2000/5/11)

NASAのX線宇宙望遠鏡「チャンドラ」が超新星1987Aを撮影し、広がりつつある衝撃波のようすをとらえることに成功した。

チャンドラによる超新星1987A

超新星1987Aは、1987年2月23日、地球から16万光年の距離にある近傍銀河・大マゼラン雲内に出現した若い超新星で、極大等級は2.9等であった。

右はチャンドラによるX線画像。超新星爆発により発生した衝撃波のようすをとらえている。この衝撃波は、秒速4,500kmで拡散しつつある超高温ガス。セ氏一千万度という高温のため、X線でしか観測できない。

この画像は2000年1月の撮影。3秒角四方の範囲をとらえており、これは2.4光年四方に対応する。

チャンドラ/HSTによる超新星1987A

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が2000年2月に可視光でこの超新星1987Aを撮影した際、そこには以前の観測では無かった新たに4つの明るい部分ができていることが発見された。

右の画像は、今回のチャンドラによるX線画像に、HSTが2月に撮影した可視光画像を等高線として合成したもの。

X線で観測された衝撃波は、可視光で観測されたリング(超新星爆発以前に形成されたもの)のすぐ内側にあり、X線で最も明るく輝いている部分と可視光であらたに輝き出した4つの部分が近接していることがわかる。

このことから、衝撃波が今まさに、外側のリングへの衝突をはじめたということが示唆される。

画像提供: X線: NASA/PSU/D.Burrows; 可視光: NASA/CfA/P.Challis

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