太陽の磁気活動と地球大気温との間に深いつながり

【2000年3月8日 SpaceDaily (2000/3/2)

天文学者と気象学者の共同研究により、太陽の磁気活動と地球大気温との間に深いつながりがあることがわかった。

この研究チームは、1979年1月から1998年4月までの地球気温と太陽のコロナホールの大きさとの関係を調べた。その結果、太陽磁気圏の活動が極大期を過ぎた後、太陽磁気活動が低下しコロナホールが増大するにつれて地球気温の明らかな低下がみられた。

太陽磁気活動が低下している時期に多いコロナホールは太陽表面の裂け目で、太陽風と呼ばれる熱い荷電粒子を吐き出し続ける。太陽風は地球にオーロラを出現させ、通信を妨害し、宇宙飛行士に脅威を与えるが、地球気候の変化の直接的な要因としても長く疑われてきた。この研究により、太陽活動と地球気候の変化の明確な関係がはじめて明らかになった。

ただし、この研究は二酸化炭素の増加の影響による気温上昇を否定するものではない。

この研究報告は2月28日付けの「New Astronomy」誌に発表されたもので、共同研究チームは、ロングアイランド大学ブルックリンキャンパスの気象学者Eric Posmentier氏、ハーバード=スミソニアン天体物理学センターの太陽物理学者Willie Soon氏およびSallie Baliunas氏、ナイジェリア大学の物理学者Pius Okeke氏らから構成される。