小惑星マンクニアによる恒星の掩蔽の改良予報

【1999年8月13日 佐藤 勲 氏 ONM No.464】

USNOでの6月13日から8月8日までの観測によると、8月17日(火)に起こると予報されていた小惑星(758)Mancunia(13.0等)によるACT2850761(10.21等)の掩蔽は、22h36mごろ、日本の太平洋岸を通る可能性の高いことがわかりました。 名目上の掩蔽帯は、南西諸島方面を通っていますが、北へ1σ〜3σずれれば、東北〜九州までの各地を縦断することになります。

小惑星の直径は86kmと推定され、現象が起これば、最長7秒間にわたって2.9等の減光が起こります。 恒星の位置は、赤経20h46m30.4s, 赤緯-21゚41'21"で、いて座にあります。

さて、観測方法ですが、眼視観測の場合は、電話時報を受信し、時報と現象が起こった時の声を録音して、後で再生して潜入と出現の時刻を0.1秒単位で求めます。 現象を見てから声が出るまでの反応時間は、適当に見積もって補正します。 眼視観測は信頼性が低いので、近くの人とペアを組んで2人以上で観測すると、信頼性が向上します。

ビデオ観測の場合は、できればI.I.や高感度の白黒ビデオを使用し、時報を同時録音します。 周囲の星が映るような倍率で観測すると、雲の通過による減光を区別することができます。

掩蔽帯図掩蔽帯図
8月17日
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この情報は、お近くの観測者にも伝え、なるべく多くの観測が得られるよう御協力下さい。観測報告は、現象が起こらなくても、曇っても、佐藤勲氏(satoois@cc.nao.ac.jp)まで是非御報告下さい。