メシエ天体ガイドM42
(オリオン座の散光星雲:オリオン座大星雲)

M42M42 Map

  • M42(NGC 1976) オリオン座/散光星雲
  • 赤経 05h35.4m 赤緯 -05°27′
  • 等級 4.0等 視直径 66′×60′ 距離 1,500光年

解説

勇者オリオンの剣のあたりに輝く、有名な大散光星雲です。眼視で観察しても写真に撮影しても、どんな口径でもすばらしい美しさを見せてくれます。メシエは1771年に、蝶あるいは鳥が羽を広げたような姿とトラペジウムをスケッチに残しています。明るい天体なので、望遠鏡が発明される以前から存在は知られていました。活発な星生成活動が行われていて、トラペジウムなどの星の紫外線によって水素ガスが電離して光る水素電離領域(HII領域)です。

見つけ方

オリオン座の三ツ星のすぐ南に、3つの4〜5等級の星が南北に並んでいます(小三ツ星)が、この中央付近が肉眼でもぼうっと光でにじんだように見えます。これがM42とM43です。三ツ星のいちばん東のζ星(1.7等)からは、M42は5.4m西、3°30′南です。ファインダーでも、蝶が羽を広げたような姿がわかります。

双眼鏡

口径が大きいほど、周囲の淡い光芒の部分が見えてきてすばらしくなります。羽を広げたような姿という印象は共通していますが、人によって蝶、鳥、白鳥、こうもりなどいろいろな動物をあげます。都会地でも双眼鏡で存在がわかります。15倍を超え、かつ口径が10cm以上の双眼鏡では、微妙な光の筋が乱れるさまが見え、息を呑むような美しさとなります。

10cm

どんな口径でも美しいですが、その美しさを満喫するためには低倍率の広視界型のアイピースで観察したいものです。40倍ではM42の中心部にある有名な四重星トラペジウムが、星雲の光芒の中でまたたいている姿が印象的です。100倍以上にして星雲の中心部をクローズアップすると、光の濃淡が迫力をもって見えてきて、また違った美しさを味わえます。

20cm

10cmでは見えない星雲の微妙な濃淡が実に美しく見え、見飽きることがありません。光害のひどい都会地でも、この口径で中心部を100倍を越える倍率で観察すると実に見事です。

30cm

立体感が感じられるようになります。35cm以上では、星雲がピンク色に染まっているように見えます。微妙な色彩感、輝くトラベジウムの美しさ、立体感あふれる大星雲のイメージは写真よりもはるかに美しく、一晩中見ていても飽きることなく、至福の満足感が得られます。