メシエ天体ガイドM40
(存在不明)

解説

M40は、1660年にヘベリウスが星雲と見誤って報告したものを、メシエがカタログに加えたものです。メシエによれば、「9等級の明るさがほとんど等しい星で、6フイートの望遠鏡では識別することが難しい。ヘベリウスはこの2つの9等星のイメージを星雲と間違えたと思われる」と述べています。

なお、ヘベリウスとメシエ、さらには後年これを研究したフラマリオンやベクバルのいずれも、微妙に異なる位置を示しています。位置としては、北斗七星のひしゃくの柄でつけねに相当するおおぐま座δ星に近い、おおぐま座70番星のあたりとされています。

星とわかっているものをメシエがカタログに加えたのは、最初のカタログを発行しようと考えた際、きりの良い数字にこだわったためと言われています。つまり最初にまとめた天体のリストは39個であって、これではきりが悪いと考えたためのようです。

実際、1771年に発行された最初のメシエカタログではリストは45個に増えていますが、これはおおいぬ座α星(シリウス)の南にM41が発見されたため、急いでM42〜M45をつけ加えたものとされています。

メシエのこのような潔癖な性分のため、ペルセウス座の二重星団のような有名な天体がメシエカタログに入るチャンスを失ったということのようです。メシエカタログの成立の由来も、なかなかおもしろいものです。