メシエ天体ガイドM27
(こぎつね座の惑星状星雲:あれい星雲)

M27M27 Map

  • M27(NGC 6853) こぎつね座/惑星状星雲(IIIa)
  • 赤経 19h59.6m 赤緯 +22°43′
  • 等級 7.6等 視直径 7′ 距離 820光年

解説

こと座のM57(環状星雲)の約5倍の広がりを持つ立派な惑星状星雲です。その姿が筋力トレーニングに使う鉄あれいの姿に似ていることから、あれい星雲と呼ばれています。しかし空に浮いている巨大な座布団、魔法のじゅうたん、あるいは、丸いせんべいを両側からかじった姿など、さまざまに形容される星雲です。中心に12等級の星があり、星雲の大きさは100年間に6.8″拡大しています。かつて通常の恒星だった中心星が寿命を迎えてガスを放出し、余熱で放つ紫外線によって蛍光灯のように星雲が光っています。

見つけ方

近くに明るい星がないので、導入には多少の慣れを必要とします。はくちょう座のβ星(アルビレオ)を中心に、こと座の四辺形のはしにあるγ星のちょうど反対側に位置しています。ここには5等級の星で形作られる台形がありますが、その長い底辺の真ん中に6等級の14番星があります。M27は14番星のすぐそばに見つけられます。慣れてくればこの台形はすぐに見つけられるようになります。アルビレオ(3.1等)からは28.9m東、5°15′南です。大きく明るいので、ファインダーでもその位置を確認できます。

双眼鏡

7×50の双眼鏡では、いびつな楕円形をしたその形がわかります。さらに10×70の双眼鏡ならばより大きな姿が確認でき、楽しめるでしょう。あれいというよりも佐渡島のイメージに近い感じです。

10cm

この口径でじゅうぶん楽しめます。40倍程度から100倍を超える倍率でもそれぞれ見え方に味があり、微細な濃淡がかなりよくわかり、太ったあれいの姿が浮かびあがってきます。これより小さな口径でもそれなりによく見えるので、ぜひ挑戦してほしいものです。

20cm

微細な構造までひじょうによく見え、たいへん見応えがあります。この口径になると、濃い部分だけを見れば太った鉄あれいに近い見え方ですが、淡い部分がはっきり見えてくるため、いびつな四角いの座布団がぽっかり浮かんでいるように見えておもしろくなります。

30cm

星雲の微細な構造がひじょうによく観察でき、時のたつのを忘れてしまうほどです。