2021年3月の星空

宵の南東の空を勢いよく駆け上っているしし座は、春を代表する星座の一つ。そのライオンの腰のあたりで、小惑星ベスタが観察の絶好機を迎えている。3等星シェルタンを目印にすれば、双眼鏡で簡単に見つけられるだろう。移動する様子を追ってみよう。

しし座が高くなるにつれて、冬の星座たちは南西の空に低くなっていく。それに合わせて、おうし座の中で輝く火星も日付が変わる前後に沈むようになる。火星は地球最接近から5か月過ぎたものの、まだ1.1等級と明るく目立っている。上旬に起こるプレアデス星団との共演は、色の対比が美しく見逃せない現象だ。また、19日には火星とアルデバラン、月が接近し、3天体が西の空で笑顔のように並ぶ。温かい気持ちになれそうな光景を、ぜひ眺めたい。

火星には2月にアラブ首長国連邦の「HOPE」中国の「天問1号」アメリカの「パーサビアランス」という3機の火星探査機・探査車が到着したばかりだ。科学的な興味・好奇心からも、火星や星空を楽しんでみよう。

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全天星図

全天星図

東京で15日の20時ごろ、南に向かって見上げたときの星空です。月初は21時ごろ、月末は19時ごろに同じような星空になります。
大阪では約20分後、福岡では約40分後に同様の星空になります。


主な天文現象

4日ごろ 火星とプレアデス星団が接近
5日ごろ 水星と木星が大接近
6日(土) 水星が西方最大離角
8日(月) ベスタがしし座で衝
9日ごろ はくちょう座χ星が極大のころ
10日(水) 細い月と土星が接近
19日(金) 月と火星が接近
23日(火) ふたご座κ星の食
30日(火) おとめ座κ星カンの食
カレンダー(月齢と天文現象)

惑星

水星

上旬 中旬 下旬
等級 0.2 0.0 -0.2
視直径 7.3″ 6.3″ 5.7″
星座 やぎ みずがめ みずがめ

金星

上旬 中旬 下旬
等級 -3.9 -3.9 -3.9
視直径 9.8″ 9.7″ 9.7″
星座 みずがめ みずがめ うお

現象

  • 14日 海王星と最接近
  • 24日 外合

火星▶ 特集ページ

上旬 下旬
等級 1.0 1.2
視直径 6.2″ 5.5″
星座 おうし おうし

木星

上旬 下旬
等級 -2.0 -2.0
視直径 33.2″ 34.3″
星座 やぎ やぎ

土星

上旬 下旬
等級 0.7 0.8
視直径 15.4″ 15.8″
星座 やぎ やぎ

天王星・海王星

天王星(中旬)海王星(中旬)
等級 5.8 8.0
視直径 3.4″ 2.2″
星座 おひつじ みずがめ

現象

  • 11日 海王星:合
  • 14日 海王星:金星と最接近
  • 30日 海王星:水星と最接近