2012年7月15日 木星食

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(説明図)
ステラナビゲータで作成

《見え方、タイムテーブル》

木星食は7月15日の昼過ぎに西の空で起こります。木星が月に隠され始める「潜入」は13時ごろで、月の高さは約30度あります。木星が月の裏から出てくる「出現」は14時ごろで、月の高度はやや下がって20度ほどになっています。

各地の現象の時刻は以下のとおりです(国立天文台暦計算室のデータをもとにしています)。

地名潜入出現
第1接触第2接触高度第3接触第4接触高度
札幌 12時50.8分12時52.1分30度13時56.9分13時58.1分19度
仙台 12時59.5分13時01.0分29度14時01.7分14時03.0分17度
東京 13時04.9分13時06.5分28度14時02.8分14時04.2分17度
大阪 13時06.3分13時08.2分32度14時00.2分14時01.8分21度
福岡 13時08.9分13時11.2分35度13時54.1分13時56.3分26度
  • 第1接触:木星が月に隠され始める瞬間/第2接触:木星が完全に月に隠される瞬間/第3接触:木星が月から現れ始める瞬間/第4接触:木星が月から完全に現れる瞬間。
    第2接触〜第3接触の間は木星が月の裏側にあるので、木星は見えません
  • 表中の地名から、見え方の星図にリンクしています(時刻は第1接触、第3接触)。星図の月や木星は、わかりやすくするために大きく描いています

《観察方法、ポイント》

  • 方位と高度を確かめ、月を探しましょう。「星空ナビ」「iステラ」「スマートステラ」などのモバイルツールを使うと、電子コンパスや内蔵センサーによって月の方向までナビゲートしてくれるので便利です。
    太陽からは45度ほど離れていますが、太陽を見ないよう念のために気をつけましょう。
  • 方向の見当がついたら、双眼鏡や天体望遠鏡のファインダーで探してみましょう。木星が隠されている時間でなければ、月のすぐそばに木星が見えているはずです。
    月からやや離れたところ(左〜左上)には金星も見えています。木星と間違えないように注意してください。
  • 青空の中で見る木星はコントラストが低いため、空の透明度が悪いと双眼鏡や低倍率の天体望遠鏡では木星がかなり見えにくいかもしれません。
    しっかりと見たい場合には、中口径以上の天体望遠鏡で倍率を変えて観察してみてください。
  • 木星が出現する瞬間(第3接触のころ)を見たい場合には、暗い月の縁のどのあたりから出てくるか、あらかじめ確かめておきましょう。
    また、出現時の月の高度は意外と低く、東日本では20度もありません。建物などに遮られないように気をつけてください。
  • 公開天文台での観察会に参加したりインターネット中継を楽しんだりするのもオススメです。イベント情報はパオナビでチェック!
    PAO Navi 全国プラネタリウム&公開天文台情報

7月15日の明け方に接近して見えた月と木星がさらに近づいて、昼ごろには西の空で月が木星を隠す「木星食」が起こる。

月齢26の細い月なので、青空の中に月を見つけるのも難しいかもしれない。また、食終了時にはかなり高度が低くなる。機材を使って観測・撮影する場合には、天体の導入方法や、潜入/出現時刻や位置の確認など入念に準備しておこう。東京での食開始は13時5分、食終了は14時3分だ。

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この解説は「アストロガイド 星空年鑑 2012」より抜粋しました。

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