若田さんらが運んだトーチ、宇宙からソチへ

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【2014年2月7日 NASA

ソチ冬季五輪がいよいよ開幕。8日未明に行われる開会式では、JAXA宇宙飛行士の若田光一さんらとともに宇宙に行ったトーチが聖火をともす。夜空を見上げてアスリートたちの戦いに思いをはせよう。


ISSに到着した聖火トーチと長期滞在クルー

ISSに到着したクルーから聖火トーチを受け取り出迎えるFyodor Yurchikhinさん(左)。クリックで拡大(提供:NASA)

2月中旬の未明の星空

2月中旬の未明の空。夜ふかし応援の合間に、春の星々を先取りしてみよう。20日には火星とスピカのそばに月も接近する。クリックで拡大(「ステラナビゲータ」でシミュレーション)

2月8日未明(日本時間)、ソチ冬季オリンピックの開会式がフィシュトオリンピックスタジアムで開催される。宇宙大国ロシアならではの目玉の1つが、宇宙に行った聖火トーチだ。

ロシアの民話に登場する火の鳥をモチーフにしたトーチは昨年11月7日、JAXA宇宙飛行士の若田光一さんらとともに国際宇宙ステーション(ISS)まで運ばれた(画像1枚目)。2人のロシア人宇宙飛行士の船外活動で宇宙空間に持ち出された後、同月11日にソユーズ帰還船で地上に返された。

トーチは宇宙船内の安全のために点火されていない状態で運ばれ、また女性初の宇宙飛行士ワレンチナ・テレシコワさんを含む1万4000人以上が参加した地上のリレーには使用されていない。オリンピック開会式で聖火点灯を行う最終のトーチとして用いられるという。

開会式を前にした今日午後7時ごろには、この“史上最長の聖火リレー”の舞台となったISSを日本の多くの地域から実際に見ることもできる。各地の詳しい時刻や見え方については、JAXAウェブサイト:「きぼう」/ISSの目視予想情報へ。点滅しない明るい光点が1、2分ほどかけて夜空を移動していくようすは、双眼鏡などがなくてもはっきりわかる。天気がよければぜひ目撃して、ISSで働く若田さんたち、あるいはアスリートたちの奮闘に思いをはせてみよう。

また、夜ふかし応援の合間に、春の星々を先取りしてみるのはいかがだろうか(画像2枚目)。北斗七星からおとめ座のスピカに至る「春の大曲線」。そのスピカと美しい色の対比を見せる火星。北東には、「夏の大三角」を成す星々も昇ってくる。