ネットで観望会で 各地で見る金星太陽面通過

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【2012年6月5日 特集「金星の太陽面通過」

「金星の太陽面通過」まであと1日となり、気になるのは天気予報。どうしても見逃したくない人のために、全国での観望会や世界各地の中継リンクを紹介します。接触時刻を知る便利なアプリも。


天気予報をチェック

小さな黒い点にしか見えない金星、日食のときと違って薄曇りでは観察が難しいかもしれません。確実に晴れ間を探したいところです。「ウェザーニュース」の特設ページでは、金星の太陽面通過の時刻(7:10ごろ〜13:47ごろ)の全国の天気が一目でわかります。

晴れ間を求めて各地へGo!

横浜の「金星太陽面経過観測記念碑」

1874年、開国間もない日本へフランス、アメリカ、そしてメキシコから金星の太陽面通過観測隊がやってきた。メキシコ隊が観測地としたのは横浜の野毛山と山手。野毛山の紅葉坂では1974年に立てられた「金星太陽面経過観測記念碑」を見ることができる。(神奈川県立青少年センター内、JR根岸線・横浜市営地下鉄ブルーライン桜木町駅より徒歩約10分)。クリックで拡大(提供:星ナビ編集部)

住んでいる地域の天気が悪かったらあきらめる? アストロアーツではあえて「迷ったらGo!」をおすすめします。一見地味でもとても希少なこの現象は、本当の意味で人生最後のチャンスです。あとになって「見ればよかった」と思っても取り返しがつきません(惑星間有人飛行なら可能性はゼロではありませんが)。

各地の天文台や科学館などでは、この現象の特別観望会が行われます。望遠鏡で投影した大きな太陽像を見たり、解説を聞いたりすることができます。

金星の太陽面通過は、1639年以来これまでに6回観測されていますが、日本での初観測は1874年(明治7年)12月9日のこと。アメリカ、メキシコ、フランスが横浜、神戸、長崎に観測遠征隊を派遣しました(この3箇所では今回、科学館が連携して各館のモニターで三元中継を行います)。1882年は日本では夜明け前で見られず、前回の2004年6月8日が、日本人が広くこの現象を目の当たりにする最初の機会でした。しかし全国的に天気に恵まれず、観測できた人はごくわずか。次回は105年後の2117年12月11日なので、孫の代まで語り継ぐことができる体験となります。

月刊星ナビ2004年6月号では、1874年の観測について詳しく特集しています。

遠征は無理… そんな時はインターネット中継で

「迷ったらGo!」とは言っても、遠征まではなかなか難しいもの。各地の天文台などが太陽面通過のようすをインターネットで中継します。あいにく曇ってしまった時や外に出られない時は、ネット中継で楽しみましょう。


アプリを使って太陽までの距離を測ろう

かつて天文学者たちは、世界中に大がかりな遠征を行って「金星の太陽面通過」を観測し、太陽系の大きさを求める手がかりにしていました。

今回は21世紀ならではのツールが登場。Astronomers Without Borders(英語サイト)で公開されている無料アプリ(iPhone/Android端末)では、各自が接触の瞬間をこのアプリで記録、ログを集計して太陽までの距離測定を求めるプロジェクトに参加することができます。大きな像で観測できる場合はぜひ参加してみてはいかがでしょう。GPS連動で接触予報時刻を調べることもできます。