3D動画で味わう天体の奥行き

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【2012年1月26日 HubbleSite

2次元でも美しい天体画像を、さらにリアルに。広大な宇宙の奥深さを実感できるようにと、ハッブル宇宙望遠鏡では3Dモデル作成チームが活躍している。


星形成領域「S106」の立体動画のひとコマ

星形成領域「S106」の立体動画のひとコマ。動画はHubbleSiteで見ることができる(提供:NASA, ESA, and G. Bacon, T. Borders, L. Frattare, Z. Levay, and F. Summers (Viz 3D team, STScI))

宇宙の神秘や美しさを垣間見せてくれるハッブル宇宙望遠鏡の天体写真。しかし2次元の画像では、宇宙の規模を推し量るにはあまりにも物足りない。ハッブルのサイエンス視覚化チームでは、少しでも天体の距離感を実感できるようにと動画を作成している。

その最新作が、およそ2000光年離れたところにある星形成領域「S106」だ。リリース元の44秒の動画では、星々の間を縫うように進みながら星雲に近づいていき、「星のふるさと」のつつみこむような大きさを感じることができる。

3D動画作成にあたって、砂時計型の立体的な形や中央からのガスの流れなどは、この天体に関する研究論文を参考にした情報が組み込まれている。星雲の手前側や向こう側の恒星の位置は得られる限りのデータを使用し、不明な箇所は科学的に無理がない程度に“創作”して埋めている。

こうしたプロジェクトでは、科学的な精密さはあまり問題ではないと言ったら驚くかもしれない。私たちの日常の感覚からすると、宇宙はあまりに広大で天体はまばらにしか存在しない。文字通り「天文学的」な規模の距離、時間、重さ…等を大幅に縮小して見せなければ、空間的に把握することが難しいのだ。

こうした映像は、多くの人々が「想像を超える」宇宙の姿を想像し、日々の新しい発見を理解する大きな手がかりとなっている。

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