「こうのとり」2号機、大気圏に突入しミッション終了

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【2011年3月31日 JAXA

3月30日、日本の宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機が大気圏に突入しミッションを無事完了した。


(ISS離脱後の「こうのとり」2号機の画像)

青い地球をバックにISSを離れる「こうのとり」2号機。機体の太陽電池パネルの部分にISSのロボットアームの影が映っている。クリックで拡大(提供:NASA)

(折鶴と「こうのとり」記念パネルを掲げるISSクルー達の画像)

「こうのとり」2号機は最後にISS滞在クルーの地上への思いも運んだ。日本の震災被災者への祈りを込めた折鶴を搭載前に掲げる宇宙飛行士達。左からPaolo Nespoli氏(イタリア)、Dmitry Kondratyev氏(ロシア)、Catherine Coleman氏(アメリカ)。クリックで拡大(提供:NASA)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、3月29日に国際宇宙ステーション(ISS)から切り離された日本の宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機が3月30日午後0時46分(日本時間。以下同)に大気圏に突入し、67日間にわたるミッションを完了したと発表した。

技術実証機だった1号機に続いて初の本格運用となった2号機は、勾配炉ラックと多目的実験ラック、ISSクルーのための日用品などを搭載し今年1月22日に打ち上げられ、同月28日にISSとドッキングした。スペースシャトル「ディスカバリー号」(STS-133)を迎えるために2月9日〜3月11日にはISSの別の結合部に移し変えられ、欧州補給機(ATV)、プログレス補給機、ソユーズと共につかの間の「宇宙機大集合」の一翼を担うなど見どころの多いミッションとなった。

また、3月11日の震災の影響により茨城県の筑波宇宙センターの管制室使用が一時閉鎖・立ち入り制限され、「きぼう」日本実験棟や「こうのとり」のデータ監視等をNASAが一時的に代行するという出来事もあった。

ISSの不用品を搭載した「こうのとり」は、3月29日午前0時46分にロボットアームによりISSから取り外され、3度の進路変更で高度を下げ、30日午後0時9分ごろニュージーランド東方の海上空で大気圏に突入した。燃え尽きなかった一部は同日午後0時半前後に着水したと推定される。

「こうのとり」は現時点で7号機まで予定されており、次回3号機は2011年内の打ち上げを目指している。