若い大質量星が生み出した、宇宙に浮かぶ砂時計

【2010年2月17日 Gemini Observatory

ジェミニ北望遠鏡が美しい星雲「Sh2-106」をとらえた。砂時計のような形は、中心星の活発な活動によるものと考えられており、中心星からは秒速200km以上の速度で物質が放出されている。


(ジェミニ北望遠鏡がとらえたSh2-106の画像)

ジェミニ北望遠鏡がとらえたSh2-106。クリックで拡大(提供:Gemini Observatory/AURA/Travis Rector (U. Alaska Anchorage))

Sh2-106は、はくちょう座の方向約2000光年の距離に位置する、幅0.5光年、長さ約2光年の星雲だ。その中心には、最大で太陽の15倍ほどの質量を持つと考えられている若い星「IRS4」が存在している。

砂時計型をしているのは、IRS4が秒速200km以上という高速で物質を放出しているためだと考えられている。また、星のまわりを巨大なガス円盤が取り巻いており、星雲の中心にくびれをつくっている。

IRS4は10万年ほど前に誕生したと考えられている。やがて自ら放つ光で周囲にあるガスを吹き飛ばし、大質量星としての短い一生を開始するとみられている。

そのほか、この領域には一人前の星になる前の若い天体が数多く存在する証拠が示されており、やがて50個から150個ほどの星の集団ができると考えられている。

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