むりかぶし望遠鏡がとらえた、ソンブレロ銀河

【2009年2月17日 石垣島天文台

石垣島天文台が口径105cmのむりかぶし望遠鏡を使い、おとめ座にある渦巻き銀河「M104」を撮影した画像を公開した。画像には、バルジの膨らみやダストの帯の微細構造まで鮮明にとらえられている。


ソンブレロ銀河で親しまれる銀河、M104を撮影

(むりかぶし望遠鏡がとらえたM104の画像)

むりかぶし望遠鏡がとらえたM104。クリックで拡大(提供:国立天文台、石垣島天文台)

石垣島天文台では、2月2日の夜、口径105cmのむりかぶし望遠鏡を使って、地球から2800万光年離れたおとめ座の銀河M104を撮影しました。

メキシコ人がかぶる帽子「ソンブレロ」によく似ていることから、天文ファンには「ソンブレロ銀河」の愛称で親しまれています。

私たちの天の川銀河によく似た渦巻銀河で、その姿を真横から見ていることになります。帯状に見える黒い線は、星を作る材料のダスト(塵)で、レコードのように円盤状に分布しています。

地球からの距離や大きさはまだはっきりせず、地球から5000万光年という説もあります。大きさも天の川銀河は直径10万光年ですが、この銀河は5万光年から14万光年と言われています。バルジと呼ばれる中央の膨らんだ部分の中心に巨大ブラックホールが存在しているとされる銀河の1つです。

南十字星の北のからす座のすぐ北東にありますが、肉眼では見えません。石垣島では大気が安定し、南の天体が本土に比べ高い位置で観測できるため、口径105cmのむりかぶし望遠鏡で撮影された画像では、バルジの膨らみが透き通るように見え、ダストの帯の微細構造まではっきりと観測できています。

※この情報は、国立天文台・石垣島天文台の宮地竹史さんよりお寄せいただきました。