山形市の板垣さん、超新星2008btを独立発見

【2008年4月15日 VSOLJニュース(194)】

山形県の板垣公一さんが、うみへび座の銀河NGC 3404に超新星2008btを独立発見された。板垣さんの独立発見を含めた超新星発見は今年4個目で、通算では38個目となる。


VSOLJニュースより

(著者:山岡均さん(九大理))

山形県山形市にお住まいの板垣公一(いたがきこういち)さんが、自身今年4個目となる超新星を発見しました(独立発見含む、以下同じ)。板垣さんの超新星発見は通算38個目となり、発見のペースは衰えを知りません。

超新星2008btと名付けられたこの天体に世界で最初に気付いたのは、リック(Lick)天文台のカツマン(Katzman)自動撮像望遠鏡で超新星捜索を行っているカリフォルニア大学バークレー校のグループです。板垣さんはその翌日にこの天体に独立に気付きました。天体の位置(リック天文台の測定)は以下のとおりです。

  赤経  10時50分16.88秒
  赤緯 -12度06分32.0 秒 (2000年分点)
  NGC 3404の周辺星図と、DSS画像に表示した超新星

母銀河であるNGC 3404の中心から16秒角ほど西にあたります。これまでに報告されている明るさは次表のとおりで、発見から1日間ではほとんど明るさが変わっていないことがわかります(時刻は世界時)。

4月 3.24 日18.8等より暗いリック天文台
13.23 日16.6等
14.24 日16.5等
14.548日16.6等板垣

NGC 3404はうみへび座の方向にある渦巻銀河で、私たちから2億光年あまりの距離にあります。見かけの明るさ、光度変化のようすを勘案すると、超新星のなかでもそれほど明るくない部類である「重力崩壊型」のものとも考えられますが、今後行われる分光によるタイプ判別が待たれます。


超新星2008btの位置

この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。

また、新しいデータや番組を入手できる「コンテンツ・ライブラリ」では、簡単にダウンロードして星図に一覧表示できる「板垣さんが発見された超新星」と「日本人が発見した超新星」も公開しています。あわせてお楽しみください。

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