スペースシャトル「ディスカバリー号」無事帰還

【2005年8月10日 NASA News宇宙航空研究開発機構 STS-114帰還記者会見報告

スペースシャトル「ディスカバリー号」が日本時間8月9日21時11分、無事地球に帰還した。日本人としては2人目となる船外活動を行い、すばらしい活躍を見せた野口聡一さんは帰還後の記者発表会で、「大気圏再突入の際コロンビア号の惨事が心にあったが、成すべきことに集中し、着陸までの一瞬一瞬を楽しむようにも努めた」と語った。

(エドワーズ空軍基地に帰還したスペースシャトル「ディスカバリー号」の画像)

エドワーズ空軍基地に帰還したスペースシャトル「ディスカバリー号」の画像。クリックで拡大(提供:Carla Thomas/NASA)

2年半ぶりに打ち上げられたスペースシャトル「ディスカバリー号」は約933万kmの旅を終えた。2日間もの着陸延期の末、着陸地を変更して米・カリフォルニア州のエドワーズ空軍基地に帰ってきた。スペースシャトルの夜間着陸は6回目で、エドワーズ空軍基地に舞い降りるのは50回目となった。2003年に起きたコロンビア号の惨事が記憶に新しい中、今回の飛行でも、外部燃料タンクの断熱材が落下するなどのトラブルが続いた。それらの乗り越えての帰還に乗組員と関係者の喜びもひとしおで、コリンズ船長も「地球に戻ってきて、最高の気分だ」とコメントした。

今回の歴史的なミッションによって、軌道上でのシャトルに関するさまざまな情報が得られたといえるだろう。その活動の重要な一端を担ったのは船外活動を行った野口さんとロビンソン宇宙飛行士だ。船外活動では、スペースシャトルの修理試験や、国際宇宙ステーションのメンテナンスの他、シャトル底面の耐熱タイルの間から飛び出していた充てん材の除去も行われた。

帰還後の記者発表会で野口さんは、シャトルでのよかった思い出として、国際宇宙ステーションのクルーとともに野口さんが持ち込んだカレーライスやラーメン、ようかん、チョコレートなどを食べたことを挙げ、現在の心境を「明日にでも国際ステーションに戻りたいくらい」と語った。