天の川銀河の最後の化石?新たな球状星団の発見

【2004年10月15日 Spitzer Space Telescoep Press Release

天の川銀河(銀河系)に新たな球状星団が発見された。発見に関わったアメリカ・ワイオミング大学の専門家は、天の川銀河内の球状星団(約150個)はすべて発見済みと考えていただけに、発見当初にわかには信じられなかったと語っている。

(新たに発見された球状星団の画像)

新たに発見された球状星団の画像。(左)可視光画像、(中央)近赤外線画像、(右)中間赤外線画像。クリックで拡大(提供:NASA, JPL-Caltech, H. Kabulnicky (University of Wyoming))

NASAのスピッツァー宇宙赤外線望遠鏡とワイオミング大学の赤外線望遠鏡による観測によって新しく発見された球状星団は、地球から9000光年の距離にあるわし座に位置している。この星団にすし詰めに存在する数十万個の星は、100億年から130億年前に形成されたものと考えられている。そのほとんどが太陽より質量の小さな星で、球状星団全体の質量は太陽30万個分に相当する。

そもそもこの星団は、スピッツァー宇宙赤外線望遠鏡が捉えたデータのスキャン中に発見されたものだ。同データは、天の川銀河の銀河面部分でちりに隠された天体を調べるためのもので、スキャン作業を行っていた専門家が過去のNASAによる赤外線データには記載のなかったこの星団に気づいたのだ。

今回の発見で、可視光観測の目をほぼ完全にさえぎる銀河面部分の観測にスピッツァー宇宙赤外線望遠鏡が大きな威力を発揮することが示された。スピッツァーは今後も引き続き、ちりに覆い隠された知られざる世界をわれわれに見せてくれることだろう。